パブのテーブルに持ってる薬をぶちまけてマーブルチョコのように喰い散らかす老人二人。
よく見りゃひとりはピーター・オトゥールじゃありませんか。歳とったなあローレンス。
「ヴィーナス」
(2006年/ロジャー・ミシェル監督)
モーリス(オトゥール)は今や死体役しか周ってこない老境の名優。
かつて棄てた女房にバネッサ・レッドグレーブ・・嗚呼、こんなになっちまったのか。
時の止まった老人社会に飛び込んできた若い女という“珍客”。
“快楽を追い求める事”を何より優先して生きてきた男の老いらくの恋、と言ってしまえばそれまでなんですが、でもそういう(それだけの)話です(笑)。
前立腺がなくなっても魂は勃起する!相手がアバズレでも若い女ならヴィーナスだ!
何と言う迷いのない生き様!
悲哀を含みながらもじんわりと暖かい「逞し老人物語」です。