デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

見せ場外しの美学。 レザボア・ドッグス

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じんのひろあき氏の戯曲デビルマン~不動を待ちながら」を読んだ時、妙なデジャヴを覚えましたが、先にこれ観てたからですね。

レザボア・ドッグス(1991年/クエンティン・タランティーノ監督)

銀行強盗の話なのに実行シーンを丸々カット。

「さあ、仕事に行くぞ」の合図で立ち上がり、「リトル・グリーン・バッグ」に乗って歩く男たちのスローモーションという、かっちょいいにも程があるオープニングが終わると事態は急転直下。

ある者は撃たれ、ある者は死に、ある者は行方知れず。

何故、現場にこんなに早く警察が? 誰かが情報を横流ししている・・。

客を選ぶ映画です。私も初見の時は「そこそこ面白いけど、そんなに騒ぐような作品か?」でした。

これが何度か見直すうちに、疑心暗鬼の単調な会話劇を時間軸いぢりながら編集の妙で魅せる「トリッキー逃げ切り型」がなんとも心地良く…。

役者がまた濃い。ハーヴェイ・カイテルティム・ロス、タラにブシェミにマイケル・マドセン。特に耳削ぎ灯油かけ男、マドセンが光ってます。

キル・ビル」は観る度に評価ダダ下がりなのですが、何故かこっちは噛めば噛む程・・・。摩訶不思議な映画です。