デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

タイミングが悪かった? BAT★21/バット21

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ベトナムものが出尽くして、ランボーすらアフガンで怒っていた88年。やはり出のタイミングを誤ったように思います。

「BAT★21/バット21」

(1988年/ピーター・マークル監督)


主演はジーン・ハックマンダニー・グローバー。良く言えば燻し銀、ありていに言えば地味、正直に言えば華が無いにも程がある2大スター。

大規模絨毯爆撃計画直前。情報戦に長けたハンブルトン中佐(ハックマン。コードネーム:BAT21)が偵察飛行中に撃墜され、敵陣真っ只中のジャングルへ。

すぐに偵察機のクラーク大尉が中佐を発見するも、敵の攻撃と地形の悪さのため、救出は難航。中佐はベトナム人には理解できないゴルフの専門用語を暗号に使い、救出可能ポイントまでジャングル内を単独移動。

逃げる中佐、追うベトコン、迫る爆撃・・とサスペンスを盛り上げる要素はたくさんあるのですが、思いのほか盛り上がりません。

むしろ、実戦経験の無い中佐が始めて人を殺し(しかも非戦闘員を子供の前で)、救出部隊が掃討されるのを目撃し・・という辺りに話の力点が置かれています。

互いに顔も知らず、コードネームで呼び合うハックマンとグローバーの間に友情が芽生えるというくだりも、同年製作の「ダイハード」がドラマチックに演出しちゃったんで割り喰っちゃってますね。

誠実で骨太な作りだけにツキの無さが惜しまれます。

※参考:「男汁博覧会。プレデタープレデター2」→2008年6月10日
    「捨て駒の隠滅連鎖。ドミノ・ターゲット」→2009年5月16日