デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

駄目な奴はひとりで落ちない。 バッドタイム

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アル中でも精神疾患でも依存症でもそうですが、往々にして彼ら(彼女ら)は仲間が自分より先に緩解(回復・更正・イチヌケ)する事を許しません。

なんとかして自分と同じ地獄に引きずり戻そうとします。

これは同類が相憐れんでいるとロクな事にならない、という教訓映画です。

「バッドタイム」(2005年/デヴィッド・エアー監督)

中東で人殺しまくって社会適応不全に陥った退役軍人ジム(クリスチャン・ベイル)が、友人マイク(フレディ・ロドリゲス)らを巻き込んで破綻していく痛すぎ人生見本市。

タクシードライバー」のトラヴィスも狂っていましたが、彼には“少女をヒモから救い出す”という後付の大義名分がありました。

「ローリング・サンダー」のレーンには、“家族の復讐”という“口実”がありました。

ジムには何もありません。警察官採用試験に落ちた腹いせに売人のヤクを盗み、それを就活中の友人にも吸わせ、友人の就職が決まれば無理矢理メキシコに連れ出し、帰りに20キロのマリファナ持って越境。

災難の散水車です。

ジムとマイクの関係性に関する説明が全くないので、マイクのつきあいの良さがイマひとつ理解できません。

男たちの挽歌」のホーとマークのような“戦場での恩”みたいなものがあれば、もう少し感情移入できたと思うのですが・・。

ゴッサムシティも人類の未来も知ったことか」とばかりに暴れまくるクリスチャン・ベイルの切れキャラは(伝え聞く人物像と相まって)なかなかにハマっておりました。

※参考:「ヌンチャク以来の衝撃、ガン=カタリベリオン」→2008年7月9日
     「名刺ひとつで大パニック。印刷屋必見。アメリカン・サイコ
      →2009年11月27日
     「話のベクトルはそっちで良かったのか? ターミネーター4」
      →2010年6月25日