デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

その病名はマズくないか? ヘル・ドライブ

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春休みで親は外泊、仲間とパーティ、ガンガン飲んじゃったけど運転くらいできるわよ。夜道かっ飛ばして、トイレでゲロってすっきり爽快、あら、車庫で物音、何かしら・・ってバンパーに人が張り付いてるじゃない!轢いたの?あたしが?どうしよう・・やだ、まだ生きてる、今助け・・ちょっと触んないでよ、やめてってば、やめろ、こら、(アイアン・ドライバーずっこんばっこん)・・大変、埋めなきゃ・・。

同情の余地無し。

「ヘル・ドライブ」(2009年/エンダ・マカリオン監督)

一夜明けてテレビをつけたら、近所の幼稚園の先生が行方不明というニュースが。子供たちと歌っているのは間違いなく夕べ埋めた男・・。

が、しかし、男は死んでおらず、自分を轢いて殴って埋めた女に復讐を開始。

と、ここまでは「ラスト・サマー」の縮小再生産ですが、轢かれた男が精神疾患のサイコ野郎という設定がちと引っかかります。

字幕では躁鬱病になっていましたが、自分の妻が幼稚園に手紙を出した(何かを密告して男の立場を危ういものにしようとしている)という妄想を描いているあたりから察するに統合失調症なのではないかと思います。

これだと躁鬱病患者=狂った殺人鬼になってしまい、ちとヤバイのでは?(じゃ統合失調症ならいいのかと言えば、それも駄目なのですが)

設定に配慮無く、脚本穴だらけな上に主人公がウルトラビッチ(恋人余裕で巻き込んで被害拡大)という困った作品ですが、女をバンパーに括り付けての大爆走(正にヘル・ドライブ)と、ヘッポコピーなテクノ風テーマ曲は割りとツボでした。

学生の自主映画くらいの期待値で観れば結構楽しめます。