デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

究極の愛の形。 香港ゾンビ

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ゾンビの顔ってこんなんだったっけ?ってな超やっつけメイクに、バケツで血糊撒いただけの特趣効果、本筋と関係ない上に笑えない小ネタの数々。

こりゃあ、とんでもねぇスカ掴まされちまったか、と思いきや、終盤に一気に加速してそこそこの盛り上がりを見せた後、静かな余韻を残して幕を閉じます。

前半2点、中盤10点、後半20点でラスト100点。

「香港ゾンビ」(1998年/ウィルソン・イップ監督)

秋葉原ラジオ会館と新橋のニュー新橋ビルを足して100倍いかがわしくしたショッピング・モールで海賊版DVDとTVゲームを売っているチンピラ、モーディとビー。

ボスの命令で修理中の車を引き取りに行った帰り道、景気良く跳ね飛ばした男は化学兵器の密売人。運んでいたのはゾンビ生成薬(って何だよ?)が入ったボトル。

『あ、まだ生きてる。え?何・・ボトル・・これか? 飲みたいのか? よし』
『いや、そうじゃな・・くげらがごぼ』
『あ、気絶した。警官が来る前に車に乗せろ』

男をトランクに詰め込んで店へ。実に最低な奴らです。モールに着いたら駐車場で停車ミスってバンパーぐんにゃり(その前に人轢いてますが)。

『あー、こりゃまた修理だな。でも金がないぞ』

勤勉な二人は、轢いた奴の携帯をモール仲間に売り飛ばし、足りない分はエステで働くお姉ちゃん襲って奪って・・(ホント、最低な奴らです)。

といい汗かいている間に、武器商人は見事ゾンビ化。トランク這い出て次々と人を襲い、気がつきゃモールはゾンビまみれ。

と書くとちょっと面白そうですが、序盤~中盤までは全然面白くありません。

盛り上がるのは、武器を手にした面々が、格闘ゲームの主用キャラよろしくスペック紹介(武器、耐久力などの値が表示される)されてから(※写真2段目4段目)。

エステのお姉ちゃんに憧れる寿司屋の店員(←残念ながら顔が嫌い)が、ゾンビと化した後も彼女だけは守ろうとする“恋するゾンビ”が評判(?)ですが、真の男は人生負け組みのダメ男モーディ(ジョーダン・チャン)。

ラストで彼が見せる行動こそ、侠気の終着駅、究極の愛の形です。

恋するゾンビが握る指寿司は、「片腕マシンガール」にも出てきましたが、実はこっちの方が9年も早い。元祖指寿司です。