一糸乱れぬ横隊で群集に無差別発砲するコサック兵。撃たれて倒れる子供、その子供を踏み倒して逃げ惑う民衆、抱きかかえた子供ごと蜂の巣にされる母親。
そして混乱の中、赤ん坊を乗せたままオデッサの階段を滑り落ちる乳母車・・。
画圧が強すぎて息もできない。なんなんだ、これは。
初見は78年(日劇文化で「惑星ソラリス」と2本立)。高校に入ったばかりのお子様に“第一次ロシア革命”はちょいと敷居が高すぎました(ソラリスで体力使い果たしたということもありますが・・)。
今回、完全版(所謂ショスタコービッチ版)にて再見。画面構成と映像編集に眼球タコ殴り。
悲しみの涙をぬぐう手がやがて怒りの握りこぶしとなり、天に向かって振り上げられ蜂起へ繋がる映像が流麗かつ雄弁。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」・・。
後に生命保険のコピーになり、プロフェッショナル藤原組のスローガンとなり、最近では「宇宙ショーへようこそ」でも引用された名フレーズの原点はここ。
エドムント・マイゼルによるオリジナル・スコア版も観たくなったので、ちぃっと値が張りましたが紀伊国屋のクリティカル・エディションを注文してしまいました。
こちらのレビューもいずれ。
では最後に「うる星やつら」でメガネが放ったこの絶叫を。
『何と言うことだ。俺はあの世でゴダールやロッセリーニ、いいやエイゼンシュテインに何と言って詫びたらいいんだ!』