デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

考えるな!お布施だと思って買え! マチェーテ

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“We Don’t Cross The Border. The Border Crossed Us!”

『我々が国境を越えたのではない!国境が我々を超えたんだ!』

歴史的事実を踏まえた最高のアジテーションです。何故これが字幕では「国境なんかクソくらえ!」、吹き替えでは「守らなかったのは奴らだ!」とかいう頭の悪い翻訳になってしまうのでしょう。

作品自体は最高。「グラインドハウス」のフェイク・トレーラー観て「おお!」となった人は迷わず買い。そもそもこの手の作品が苦手な人は振り向かずに走り去れ!

マチェーテ
(2010年/ロバート・ロドリゲス&イーサン・マニキス監督)


いやあ、よもやダニー・トレホがダーク・ヒーローになる日が来ようとは。

日本刀振り回すスティーブン・セガールと山刀振り回すダニー・トレホがいたら、どう考えたってセガール=良いモン、トレホ=殺られ役でしょう。

麻薬王トーレスセガール)に妻子を殺された元メキシコ連邦捜査官マチェーテ(トレホ)。

不法移民に身をやつしてテキサスで日雇い肉体労働者となったマチェーテに転がり込んだ思わぬ大仕事。

それは不法移民弾圧の急先鋒である上院議員マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺。しかし、この仕事は巧妙な罠でした。

まあ、出るわ出るわのオールスター(当然、チーチ・マリン含む)。

イチオシは殺られたと思ったらメカゴジラになって復活するミシェル・ロドリゲス

全編通して切り株絵巻。首スパンスパン、腕脚スポンスポン、血糊ビシャビシャ、内臓ズルズル、家も車もちゅどどどどーん。

フェイク・トレーラーにあったシーンが全部しっかり映像化されている律儀さに感激。

グラインドハウス精神である“わざと傷だらけなフィルム”も健在。

イーライ、早く「感謝祭」作れ!