イタリア・ローマ国際ファンタスティック映画祭ヴィンセント・プライス賞受賞作を劇場公開もせず、どこから見てもバッタもんなタイトルつけてビデオスルー。VHS廃盤、DVD化の気配無し。
勿体無いなぁ。
「サスペリア・ナイトメア」
(1994年/マリアノ・バイノ監督)
エリザベス(ルイーズ・ソルター)が訪れたのは黒海に浮かぶ孤島の修道院。
そこは文明を拒絶した隔絶の島。記憶から消された彼女の生まれ故郷。
死んだ父が修道院に送り続けていた寄付金の目的を知るために、そして封印された記憶の扉を開くために。
盲目の老婆が彼女に触れて言う。「エリザベス。帰ってきたんだね」
“サスペリア”を冠したい気持ちは分かります。
豪雨の中の帰郷。真っ赤なレイン・コート。邪教を信仰する修道尼。デモンズのマスクに良く似た邪神の紋章。
ダリオ・アルジェントを後継する次世代イタリアン・ホラーです。雰囲気だけで言えば「デモンズ7」でも良かったかもしれません。
ただ、お話の骨子を追ってみると、また別の見方も。
幼少期の消された記憶、この世ならざる者と交配した父、謎の古文書、近隣から孤立した集落、邪神復活の祈りと儀式、島民に追われる主人公と出自の秘密…。
これってクトゥルフ(インスマウス+ダンウィッチ)じゃないですか。
早々に読めてしまう「センチネル」なオチ、撮るべきカットをきちんと撮っていない稚拙な編集など文句はありますが、絵柄と音楽の雰囲気だけで十分合格です。
何と海外ではDVDが“邪神の紋章のレプリカ付き2枚組”という超豪華仕様で発売中。
買っちゃおうかな・・。
※参考:「オールスター闇鍋大宴会、遂に解禁。センチネル」→2010年4月2日