『体はアナコンダみたいなでっかい蛇だけど顔つきはピラニアで…』
『それってつまり“ピラナコンダ”?』
何と言う偏差値貧乏な会話。アニメの名曲をヘヴィ・メタル・アレンジで演奏するという企画を聞いた野村義男の「え、それって“アニメタル”?」という名言を思い出します。
「ピラナコンダ」(2012年/ジム・ウィーノスキー監督)
所はハワイ。“川の悪魔”と呼ばれる謎の巨大生物を追ってきた爬虫類学者(マイケル・マドセン)、Z級ホラー映画(ハワイでホラー?)の撮影に来たクルー一行、身代金目的で女優の誘拐を企む見るからに悪そうな人達。
彼らを待っていたのは、這い寄る食欲ピラナコンダ。
“どうせCGなんだから景気良く行こう”とエグセクティヴ・プロデューサーのロジャー・コーマンが言ったかどうかは分りませんが、無駄にデカい怪物が出し惜しみ無く登場。
ひょいと鎌首もたげれば、飛び上がりかけたヘリも地面にブラックホークダウン(写真2枚目)。
初めのうちの犠牲者はちゃんと身体欠損描写(写真3枚目)がありましたが、途中から全部丸呑み。噛み付いた瞬間の血煙だけで誤魔化されてしまったのは実に残念。
学者のマドセンと誘拐犯の紅一点、レイチェル・ハンター(「YOGAN」にも出ていたロッド・スチュアート元妻)が全く活躍しないのも半端なビッグネームのエコノミー契約って感じで素敵。
専ら活躍するのは映画クルーのスタントマン(殺人鬼役兼務)と爆破スタッフだったりするのですが、これが見事に華がない(笑)。
B級の主役かくあるべし!なお手本です。
監督のジムさんはこの前年に「スパイダー・パニック!2012」、その前年に「ダイナクロコvsスーパーゲイター」なんてものを撮っています。
ただ個人的にはサルバドール・ロス名義で撮った「何も着ていない悪魔」(2009年)とか、「ボインフィールド PAFUPAFU」(2008年←物凄く分りにくいですが、「クローバーフィールド HAKAISYA」の下ネタ・パロディーなんだそうです)の方に強く惹かれるものがあります。