デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

見せ場って何? キラー・ビー ~殺人蜂大襲来~

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もし“動物パニック脚本簡易生成ソフト”なんてものがあったら…。

  1. 入力条件:被害地・・フランス(エンター)。
  2. 入力条件:動物の種類・・ミツバチ(エンター)。
  3. 入力条件:主人公属性・・ダスティン・ホフマンのバッタもんな医者とファムケ・ヤンセンのバッタもんの昆虫学者(エンター)。
  4. 最終条件:予算・・無い。

 

以上、入力終了。生成開始。アウトプットは…

フェスティバルを控えて盛り上がる地中海に面した風光明媚な小都市(単に田舎とも言う)。

ここで突然変異したミツバチの大群が発生。狡猾にも天敵であるスズメバチを先に片付けると神出鬼没に人間を襲撃。

長期不在と離婚が原因で反抗期をこじらせてしまった娘をつれて“父と娘の絆を取り戻すぞバカンス”に来た医師フランソアと養蜂所を営む元昆虫学者のクレメンタインが警鐘を鳴らすも市長はこれをガン無視。

『フェスティバルは中止にはできん。大体ミツバチが人を襲うのか。お前が遺伝子操作をしたんだろう』

とあらぬ疑いをかけられる始末。

ここにクレメンタインの研究成果を盗んだ元同僚が加わって頭の悪い対策を次々立てるものだから事態は雪崩式に悪化。

そうこうしている間に勢力を拡大したミツバチの大群が町へ…。

「キラー・ビー ~殺人蜂大襲来~」
(2009年/ブノワ・ドベール監督)


新しい要素などビタ一文入っていない鉄板のテンプレート。

市長はどこまでも馬鹿で、元同僚も悪知恵ひとつ働かない脳タリン。いつまでもどこまでも反抗している娘もうざったいったらありゃしません。

フェスティバルもせいぜい朝市程度の規模で町をあげた感まるで無し。

蜂の巣があると思われる場所を特定した医師と学者が蜂に襲われ、車に籠城しているとそこに消防車が駆けつけて放水。

間一髪助かって、さあどうするのかと思ったら、全員プールサイドでにこやかに談笑。娘は父に心を開き、医師と学者はラーブラブ。

え、まさか終り? 蜂は? すると近くのテレビが、

“消防隊が蜂の巣を一掃しました”

・・・ポカーン。

そう言えば学者には相方がいて、蜂に襲われたものの一命はとりとめていたはず。彼は刺され損?

恐るべしフランス。恐るべし動物パニック脚本簡易生成ソフト(信じるなよ)。