MOVIEWEBというサイトが「ホラー映画に於けるファイナル・ガールBEST8(8 Best 'Final Girls' in Horror Movies, Ranked)」というランキングを発表しました。
ファイナル・ガールというのは文字通り最後に立っている女性(The last woman standing.)。
理不尽な災厄と惨劇を生き抜いてラストシーンを飾る女性です。
ん~でもちょっと待て。
ラストシーンで生きている(場合によっては殺人鬼やモンスターを倒している)女性ってのは多くの場合「主人公」じゃん。
一瞬、ニッチなランキングかと思いましたが、要はホラー・ヒロイン選手権。
ベスト3は、ローリー・ストロード(ハロウィン)、シドニー・プレスコット(スクリーム)、ナンシー・トンプソン(エルム街の悪夢)。
★全部知りたい人はこちら。
どうしても王道チョイスになってしまいます。
反目に張るなら「最初の犠牲者となった女性」選手権。
真っ先に思いつくのは「サイコ」のジャネット・リーと「スクリーム」のドリュー・バリモアですが、こちらも王道過ぎて面白くありません。
もちっとマイナーな路線を探りましょう。
最初の犠牲者は、「唐突に」「意外性のある人物が」「目を疑う方法で殺される」というホラー映画で最も重要な要素と言える「掴み」を任された重要人物。
男も含めれば「イチャついてるバカップル」とか「いじめっ子的スポーツマン」というオタクの怨嗟が凝縮されたキャラになりますが、それでは「爽快感」はあっても「意外性」「悲壮感」が満たされません。
では、曼荼羅畑認定「陽の当たらない犠牲者列伝」を。
「人喰い猪、公民館襲撃す!」(2009年/シン・ジョンウォン監督)
作品の出来はさておき、画面に映る最初の犠牲者(可憐な少女)が不憫の佃煮。
K国の人でなし描写にはブレーキというものがありません。
「血に飢えた白い砂浜」(1981年/ジェフリー・ブルーム監督)
作品の出来はさておき、最初の犠牲者の人選と場所がダブルで意外。
駄目の中にキラリと光るショック描写。心に残る映画の条件です。
「スウォーム」(1978年/アーウィン・アレン監督)
作品の出来はさておき(しつこい?)、子供殺しちゃいけないってのは人の大人の倫理観。殺人蜂の知ったこっちゃございません。弱い者から死んでいくのは自然の摂理。
「クワイエット・プレイス」(2018年/ジョン・クラシンスキー監督)
メジャーな作品も混ぜておきましょう。
ご家族の末娘というのは可愛い要素を一心に背負った癒しキャラですが、所詮は馬鹿なガキ。このガキ絶対やらかしてくれるぜ、と思ったこちらの気持ちを汲んで、お話が転がる前に画面から排除。
「サスペリア」(1977年/ダリオ・アルジェント監督)
掴みの見本。極彩色の残酷絵巻。窓ガラスに顔面押し付け、肋骨の存在無視して心臓にナイフ突き立て、首にコード巻きつけて、天窓突き破って首吊り。お見事。
どうですかお客さん。こういう犠牲者の体を張った頑張りがあってこそ、ファイナル・ガールが引き立つというものでしょう。
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★本日のTV放送【18:30~BS日テレ/木曜は!特選時代劇】