うっかり1作目飛ばして2作目から観賞…してしまいましたが、だからと言って1作目を確認する気にも続編を観てみようという気にもならない残念無双な1本。
「ダイバージェントNEO」(2015年/ロベルト・シュヴェンケ監督)
「ダイバージェント」の続編で「ダイバージェントFINAL」の前作。
全人類を性格ごとに“勇敢”、“高潔”、“平和”、“無欲”、“博学”という5つの共同体に振り分けて管理することで秩序を維持している世界。
少女トリス(シェイリーン・ウッドリー)は適性検査で“異端者=ダイバージェント”と診断され、危険分子として政府から命を狙われる存在に。
世界を牛耳る“博学”のリーダー、ジェニーン(ケイト・ウィンスレット)はこの世界を創った先人のメッセージを納めた“箱”の封印を解こうとしますが、そのためには異端者が5つの試練をクリアしなければならず…
って「マトリックス」から16年、「リベリオン」から数えても13年、あのしょーもない「イーオン・フラックス」からですら10年経っているというのに未だこんな中二な内容を…。
などと言ってはいけません。原作はティーン向け小説(ラノベ?)だそうで、真っ当なSF的世界観を求めること自体がお門違い。
で、あるならせめてキャラ立ちの良さで魅せて欲しいものですがそれもちょっと…。
でも大丈夫。見所はふたつもあります。ひとつは脇を固める豪華女優陣。
敵役のケイト・ウィンスレットはじめ、アシュレイ・ジャド、ナオミ・ワッツ、マギーQ…皆老けたなぁ…。ケイトは骨が太い、顎が太い、腰が太いという夢枕獏の小説に出てきそうな体形になっちゃったし。
もうひとつはマテバ(系)が沢山拝めるということ。最終戦争から150年経っても武器は昔のままのようです。
下の写真でシェイリーンとその右にいる人が構えているのがマテバ 6 ウニカ(MATEBA Model-6 Unica)。
1997年にマテバ社が開発した半自動回転式拳銃。別名オートリボルバー。
ウニカの特殊性については「ゴートゥーヘル」のレビュー時に詳しく書いたのでそちらを御参照ください。
シェイリーンの後方にいるおっさんが構えているのがチアッパ ライノ(Chiappa Rhino)。
イタリアのチアッパ・ファイアアームズが開発したリボルバー。設計者は、マテバシリーズ(2006M、6 Unica)を手掛けたアントニオ・クダッソとエミリオ・ジゾーニ。
マテバシリーズ同様、シリンダー下側の薬室と銃身尾を接続する独特な構造。
4インチバレル以上のモデルには、銃身上部に軽量化用の肉抜き穴、銃身下部にアクセサリーレールが搭載されていて、写っているのは正にこのタイプ。
スカーレット・ヨハンソン版ゴースト・イン・ザ・シェルでトグサが使っていたようですが、あまりお目にかかる機会の少ない銃のひとつです。