デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

英国風パルプ・フィクション? バーニー・トムソンの殺人日記

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『死体を切断したのか⁉丁寧にラベルまで貼って⁉』

(You chopped him up! You've even fucking labelled him!)

『あたしは何にでもラベルを貼るんだ』

(I label everything.)

お久しぶりですカーライルさん(「28周後…」以来ですね)。

それよりエマ・トンプソンさん、あなた「ロング・トレイル!」と同じ年に何やってんですか(笑)。

「バーニー・トムソンの殺人日記」

(2015年/ロバート・カーライル監督)


俺はバーニー、理髪師だ。それ以外の何者でもない。理髪師以外できないしやった事もないしやりたいとも思わない。

確かに愛想は無いかもしれない。最近じゃ客からも敬遠されるし…。

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そしてボスから解雇告知。ちょっと待ってくれ…。

断じて殺す気などなかった。事故だったんだ。事故。

殺っちまったものは仕方ない。死体を車のトランクに詰め込んで、ママに相談。とりあえず死体はママが自宅で預かる事に。

翌日、家を覗いてみれば婆さん仲間が大挙してドンチャン騒ぎ。おいおい、死体があるのに何をして…何気に冷凍庫を開いたら綺麗に整理整頓されたボディパーツがこんにちは。

ひとつひとつ丁寧にラッピングされた上にラベル(名札)まで。

なんてこった…。

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冷凍庫の中には腕が1本2本3本…3本⁉

なんてこった…。

気が付けば次々に死体が山積みされていく不謹慎英国コメディ。

立ち上がりの雰囲気が「パルプ・フィクション」っぽいなぁと思ったら、台詞が全編Fukまみれな上に最後はレザボア。滅茶タラ・リスペクトな作品です。

トレインスポッティング」の暴れん坊将軍とは真逆のヘタレ男をカーライルが熱演。

しかし何よりエマ・トンプソン

ドッグレースに入れ込んでフィッシュ&チップスに喰らいついては「お酢が足りない」と文句垂れ、ビンゴパーティで大はしゃぎしたと思ったら自宅で婆仲間と踊り狂う…見事にタガの外れた糞婆。「ロング・トレイル!」(同年)の常識的堅物奥さんとは真逆の弾けっぷり。

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メイクも凄い(左が「ロング・トレイル!」)。


因みにエマとロバートは歳2つしか違いません。

不幸と誤解と勘違いの重ね焼きで翻弄される警察もいい感じ。刑事を名前ではなくナンバーで呼ぶのもレザボアのカラー呼称踏襲でしょうか(元ネタは「サブウェイ・パニック」ですが…)


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ロバート・カーライル風「レザボア・ドッグス」の行方は…。 

 

★ご参考 

mandarabatake.hatenablog.com

 

 

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