東映の三角マークが裸足で逃げ出すビッグウェンズデーな荒波ざっぱん!
まるで波に運ばれたように岩場に立つ謎の人影。その周りにはカラスが乱舞。
ここに「俺、カーペンター好きなんだよね」な低音ボンボボボボンな音楽が被ってカメラはカラスと共にアイルランドの寂れた港町へ。
実に良い出だしです。
「デッド・ノート LET US PREY」
(2014年/ブライアン・オマリー監督)
なんじゃこのバッタもんみたいな邦題、と思ったら、劇場公開時(2016年1月~3月開催の<未体験ゾーンの映画たち2016>)のタイトルは「デス・ノート」でした。
バッタもん通り越して丸パクリ。しかも内容がびた一文被ってない。ジャケの酷さに至っては言葉もありません。
真ん中が国内版ソフトのジャケ。あんまりな出来に絶句。
レイチェル(ポリアンナ・マッキントッシュ)は幼少期にちょっと人に言えないトラウマを植え付けられた新人婦人警官(巡査)。
レイチェルには「マーターズ」な過去が…。
左:マーターズ、右:デッド・ノート
仕事あるのかよ、なド田舎に配属されて今夜は夜勤で初出勤。
途中で掴まえた危険運転(長身の男を轢いたように見えたが現場から消失)の坊やを手土産に着任挨拶。出迎えたのはウィレム・デフォーな顔立ちのマクレディ巡査部長。
拘置所には先客1名。DV常習犯の教師ベズウィック。
坊やが轢いたと思しき男性はパトロール中のワーノックとマンディが確保。
怪我の様子を見るために病院からヒューム医師が。
ここで男を診ていたヒューム医師が「知っているのか!?」という謎の言葉を発して錯乱。男を殺そうとしたので取り押さえて地下牢へ。
身元不明の男も念為地下ホテルにご宿泊(以降、牢ナンバーで「6」と呼称)。
これで登場人物総登場。
牢の中の人も外の人も皆、人には言えない秘密を持っておりました。
どんな家にも秘密のひとつやふたつありますよね。
『さて…誰から始める?』
贖罪と断罪をまき散らす「6」は神か悪魔か堕天使か。
ここから先はネタバレになるので割愛しますが、私が目を引いたのは普段はあまり注目されない小道具「バタリングラム」。
Battering ram。字幕では「破壊槌」となっていましたが通常は「破城槌」とか「衝角」と訳します。丸太状の物体を垂直にぶつけて城門や城壁を破壊し、突破することを目的とした攻城兵器です。
本来は大人数で扱うものですが、これを単独で使えるようにしたのがSWATなどの特殊部隊がドア破壊に使用しているもの。
ただし、内開き玄関にのみ有効で日本のような外開き玄関には使用できません。
このバタリングラムが終盤で大活躍。施錠された署内ドアを景気よくぶち壊しておりました。
ブライアン・オマリー監督は本作の後に「ダーケスト・ウォーター」を撮っています。
オチが弱いのはこの人のカラーなのか…。
★ご参考
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★本日3月22日は村川透監督(1937~)の誕生日(おめでとうございます!)
遊戯シリーズに金狼に野獣…選ぶの難しいですねえ…。
敢えて「優作以外」からこの3作にしてみましたが如何でしょう。