国を揺るがす機密情報…よりも大事なのは女房に頼まれた「焼き豚と揚げ豚入りの特大麵」。
たとえ銃弾が降り注いでも絶体に手放してはなりません。
「ザ・プロテクター 絶対に渡してはいけない機密情報24時」(2019年/パピット・ジョームコ監督)
タイ。Government Savings Bank(政府貯蓄銀行)の中年警備員カムコン(ペットターイ・ウォンカムラオ)は、ご陽気に歌い、趣味のスリングショットを構えつつ夜間警備を終えて勤務交代。
ギャンブル好きで美形のカミさんからは「早く帰って来て」と矢の催促。
「帰りにネンの店の麺を買って来てね。特大サイズをふたつよ」
友人のネンが新規開店したタイ麺屋で注文を済ませトイレから出てきたら何故か店内大銃撃戦。
狙われたのはタイを非公式訪問中の隣国ケントラットの大統領チュン・ケンピン(マーク・ウォルバーグの親戚のような顔立ち)。
護衛チームは大統領とネンの麺屋に入っている1名を除いて別動隊が掃討。
お店はあっという間に弾丸と瓦礫の見本市。
咄嗟に持っていたスリングショットで反撃するカムコン。
カムコンがスリングショットで出鼻をくじき、その隙に大統領のガードが銃弾を叩き込む。
ただ居合わせただけで初連携。見事なコンビネーション。
チャーリー・ブラウンと水道橋博士を足して割ったような小柄なハゲ中年カムカンが素晴らしい動き。
のみならず、奪った拳銃を繰って正確無比なスナイプまで。
おっさん一体何者よ!?
勿論、答えは鉄板のお約束「元傭兵」。
セガールと違って見た目のギャップが大きい分、得していますね。
本作のギャグのひとつが言語。
主人公が話すタイ語と大統領が話すケントラットの言葉がまるで噛み合わず意思疎通ができないすれ違いが笑いを誘います。
ケントラットは架空の国ですが「隣国」という設定なので、ミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアのいずれかがモデルでしょう。
- ミャンマーの公用語はミャンマー語(言語体系はシナ・チベット語族)。
- ラオスの公用語はラオ後(言語体系はタイ・タガイ語族)。
- カンボジアの公用語はクメール語(言語体系はオーストロアジア語族)。
- マレーシアの公用語はマレー語(言語体系はオーストロアジア語族)
どれがタイ語と近くて遠いのか皆目見当もつきませんが、この5か国はタイを挟んで国境隣接していながら使用言語が異なる(ミャンマーには135の少数民族があり、それぞれの民族がそれぞれの言語を持っている。ラオスも似たようなもの…らしい)んですねえ。
まぁ極東も日本・中国・韓国・北朝鮮で違いますから他所をとやかくは言えませんが。
ジャッキー映画とセガール映画を足しっぱなしのタイ映画。71分と言うコンパクトさも相まって楽しめる出来になっておりました。
おまけ其の壱
襲い来る殺し屋軍団もキャラ立ち満開でしたが、イチオシはこの👇人。
襲撃中も延々タイPOPS(?)を朗々と歌い上げ、どんな凄腕の奴なんだろうと思わせておいて、(歌以外)見せ場ゼロで退場。何しに出て来たんだよ、おっさん。
おまけ其の弐
カムコンのお仲間が被る謎ヘルメット。なんだよ「つづく」って(笑)。
背後の棚にも怪しげなグッズが…。彼の趣味が気になります。
★そう言えば、ジャッキーのアメリカ進出第2弾(仕切り直し失敗!)も「プロテクター」でしたね。
★ヴァン・ダムの映画にもありましたね。
★ペットターイ・ウォンカムラオの出世作と言えば…
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