デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

♪I Need A Hero! バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー

超絶情けなくて、下品でくだらなくて罰当たりなのに何でしょう、この高揚感。

ヒーロー(たち)は勘違いの彼方から。

「バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー」(2021年/フィリップ・ラショー監督)

セドリック(フィリップ・ラショー)は売れない役者。仕事と言えば「短小専用コンドーム」のCMくらい。

そんな彼に転機が。ハリウッドの向こうを張った(しかし低予算の)スーパーヒーロー映画「バッドマン」(プロデューサー曰く「マントはつけていないからパクリじゃない」)の主役に。

身代金受け渡し現場に乱入する見せ場シーンを撮り終えたところで、警察署長をしている父親が何者かに襲われ入院したと言う知らせが妹から。

咄嗟にバッドスーツ着込んだまま、バッドモービルで病院に向かいましたが、途中で(本番では不発だった爆薬入り人形が後部トランクで爆発して)景気よく建物に激突。

なんとか警察に連絡を入れましたが「あなたの名前は?」と聞かれ硬直。

俺は…誰だ!?

このコスチュームは何だ? 何故、助手席のバッグに大金と銃が? トランクに死体!?

突っ込んだ場所もマズかった。


バッグの中にあった新聞(勿論小道具)には覆面自警団の活躍が。これは今俺が着ているものと同じ…。


更に腕時計型ホログラムには執事からのメッセージが。


俺はスーパーヒーローだったのか!?

ここからは誤解と勘違いと思い込みと天文学的確率の偶然が激しく交錯して雪崩式大事件に。

しかも、やりっぱなし投げっぱなしと思わせて、全部が綺麗に繋がっていく脚本の妙。

品が無いのにかっちょいい。この手触り、「食神」「少林サッカーと同じ箱だ。正にフランスのチャウ・シンチー

後は「オーガズモ」が近いですね。ここいらへんの作品が好きな方はド嵌りすると思います。

ネタバレ回避でお話と直接関係の無いシーンをちょっとだけつまんでおくと…。

突然、主役が失踪してしまった撮影現場ですが、中断はできません。小道具係の苦肉の作がこれ👇。


おおこれは「死亡遊戯」でも使われた「実物大顔写真切り抜き合成」の更に頭悪いバージョンですね。

バッドマンが警察に偽装した銀行強盗犯と格闘している映像(どう見てもバットマンコスプレしている奴が警官を襲っているようにしか見えない)を見た警察署員の報告が、

『今、ポルノショップで聞き込みを』

何故ポルノショップかと言うと、あそこではこーゆー物👇が売られているからですね。


本作、虚実のバランス(大道具・小道具とリアルの混ぜ具合)が絶妙で、全編通して楽しませて頂きました。

フランス映画で相性の良い作品ってなかなか出会えないのですが、これは当たり。下品系が苦手な方以外にはお薦めです。

 

おまけ

色々と罰当たりなシーがありましたが、一番酷かったのが、

 


よく怒られなかったな…。

★本家やアベンジャーズとは関係ない参考作品あれこれ。

 

 

 

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