『ベレッタ93…頼りになる銃だ』
1991年.ベトナム、ダナン。
とある組織の壊滅を請け負ったプロの殺し屋ムーディー(サミュエル・L・ジャクソン)ですが、着いてみれば既にそこは死体の山。
生きていたのはベレッタ握りしめたひとりの幼女でした。
そして30年後。
「マーベラス」(2021年/マーティン・キャンベル監督)
ムーディーに引き取られた幼女アンナ(30年後マギーQ)はロンドンで古書店を経営(古本屋ではありません。「ナインスゲート」ジョニー・デップの店と同じコレクター向け希少本専門店)。
勿論これは表の顔で本業はムーディーと組んでの殺し屋稼業。
その世界では名の通った二人ですが、ある日ムーディーが自宅を襲撃され惨殺。
復讐を誓ったアンナは僅かな手掛かりを頼りに犯人捜索に乗り出しますが、彼女の前に謎の紳士レンブラント(マイケル・キートン)が現れ…。
実はもうちっと「ハードボイルド」側に寄せた作りを期待していたのですが、何か完全に「お洒落系」で個人的には残念無念。
マギーさん、やっている事が割と行き当たりばったりでプロっぽさを感じません。
マイケル・キートンとの守る側・攻める側の知略合戦という見せ場もないですし、レストランのテーブルの下で拳銃向けあって名前当てっこして…駄目だ、全然グッと来ない。
身も蓋もないですがマギーQには萌えません。
しかもマイケル・キートン(撮影時推定69歳)と殺るかヤるかの攻防とか果てしなくどうでもいいです。
これせめて30年後じゃなくて10年(百歩譲って15年後)の設定にしてくれたら、随分違う印象の作品になったと思うのですが…。
という訳で見どころは30年前の幼女アンナ。
地元のギャングどもに家族皆殺しにされて拉致られてきたアンナ。目の前では家族殺した奴が楽し気に銃(ベレッタ92F)の組み立てを。
作業台の上にはもう一組の拳銃パーツが。
一瞬、席を外したギャングが戻って見ると、さっきまであったパーツがない。
組み上がった完成品「ベレッタM93R」はアンナの小さな手の中に(何と言う記憶力と空間認識能力!)。
ベレッタM93Rは、1977年にイタリアのベレッタ社が同国政府の要請で開発した自動拳銃(機関拳銃)。
特徴は何と言っても「3点バースト」(「R」はイタリア語でバーストを意味する「Raffica」のイニシャル)。
1回のトリガーアクションで3発の弾丸を連射する3点バーストは携帯性に優れながら高い制圧性を持つ対テロリスト専用ウェポンです。
初弾発射時の跳ね上がりによって次弾の狙いがずれることを考慮し、連射サイクルが非常に速くなっているため、幼女が撃っても確実に全弾相手に叩き込むことができます(多分)。
因みに「ロボコップ」のオート9はM93Rをベースにしたプロップガンです。
おまけ
ベトナムでアンナをアシストするバイカー軍団のリーダー役でロバート・パトリック(「T2」のT-1000)が出ておりましたが、良い感じに不良っぽさを残したやさぐれ爺に。
「ニュー・フェイト」にゲスト出演して欲しかったなあ。
★マーティン・キャンベル監督ならこっちがお薦め。
★サミュエルのアクションなら絶対こっち。
★古書店経営と言えば…
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