デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

最悪の佃煮。 逃走車 VEHICLE 19

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やっと着いたぜヨハネスブルグ。飛行機遅れるわ、税関手間取るわ、大遅刻だ。アンジー怒ってねえかな。ええっと予約したレンタカーは…あれ?
 
指定した車と違う…。
 
取り替えている時間はない。このまま行こう。右ハンドルに左側通行? クソ、道が分からねえ。足下に何か落ちている…って拳銃?
 
最も悪いと書いて最悪。
 
「逃走車」2011年/ムクンダ・マイケル・デュウィル監督)
 
アメリカ人マイケル(ポール・ウォーカー)は保釈中に別れた妻のいる南アフリカ共和国ヨハネスブルグへ。
 
予約と違うレンタカー。床には銃、トランクには縛られた黒人女。ダッシュボードにあったスマホには刑事と名乗る男から謎のメールが。

 

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何で拳銃が…って、あんた誰?!
 
女は検事。警察上層部が絡む人身売買組織を告発しようとしたら自宅前で襲われて、気がついたらこの車のトランクに押し込められていた…という典型的低予算巻き込まれ型サスペンスです。
 
やたら前方不注意な運転をするマイケル。マイケルの言う事をビタ一文信用していない元妻。助けてもらいながら敵対行動を続ける女検事。話が転がりだす前にイライラMAX
 
突っ込み所は数知れず(と言うか突っ込み所しかない)。
 
何故殺すつもりで拉致った女をレンタカーに詰めておく? リスクを冒してわざわざ誰かに引き継ぐ意図が分かりません。
 
猿轡の噛ませが緩い。手は背中で縛れ。前で縛ったら簡単に猿轡外せちゃうだろ。
 
手元に携帯があるんだから、まず味方(本作の場合、女の上司である検事)に無事を伝えろよ。警察が信用できないならマスコミ巻き込むとかすればいいだろ。
 
携帯に録音された女検事の証言が刑事告発の決め手に…ならないだろ。どう聞いてもその録音に証拠能力なんか微塵もないぞ(かろうじてマイケルの無実は証明できるかも)。
 
主役がポール・ワイルドスピード・ウォーカーなので、ド派手なカーアクションを期待した向きもあるようですが、そっち方面もいたって地味な仕上がり。
 
本作の個人的見所はヨハネスブルグのパトカー。
 
ゼブラな市松模様をあしらったBMW3とごっついISUZU KB(ピックアップ・トラック)。

 

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左:ISUZU KB。右:BMW3
 
BMWはトラックと正面衝突してすっ飛ぶ軽量ですが、ISUZUはスーパーに突っ込んで売場をささらもさらに。買い物客(の命)なんか知ったことかとばかりに拳銃乱射する警官も素敵。
 
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警察の妨害を掻い潜って証拠品を裁判所に届けるという構図は「ガントレット」「ブルーサンダーブルース・ブラザース」と同じ。であればもう少し盛り上げて欲しかったなあ。
 

 

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