指定した車と違う…。
取り替えている時間はない。このまま行こう。右ハンドルに左側通行? クソ、道が分からねえ。足下に何か落ちている…って拳銃?
最も悪いと書いて最悪。
「逃走車」(2011年/ムクンダ・マイケル・デュウィル監督)
何で拳銃が…って、あんた誰?!
女は検事。警察上層部が絡む人身売買組織を告発しようとしたら自宅前で襲われて、気がついたらこの車のトランクに押し込められていた…という典型的低予算巻き込まれ型サスペンスです。
やたら前方不注意な運転をするマイケル。マイケルの言う事をビタ一文信用していない元妻。助けてもらいながら敵対行動を続ける女検事。話が転がりだす前にイライラMAX。
突っ込み所は数知れず(と言うか突っ込み所しかない)。
何故殺すつもりで拉致った女をレンタカーに詰めておく? リスクを冒してわざわざ誰かに引き継ぐ意図が分かりません。
猿轡の噛ませが緩い。手は背中で縛れ。前で縛ったら簡単に猿轡外せちゃうだろ。
手元に携帯があるんだから、まず味方(本作の場合、女の上司である検事)に無事を伝えろよ。警察が信用できないならマスコミ巻き込むとかすればいいだろ。
主役がポール・ワイルドスピード・ウォーカーなので、ド派手なカーアクションを期待した向きもあるようですが、そっち方面もいたって地味な仕上がり。
本作の個人的見所はヨハネスブルグのパトカー。
左:ISUZU KB。右:BMW3
警察の妨害を掻い潜って証拠品を裁判所に届けるという構図は「ガントレット」「ブルーサンダー」「ブルース・ブラザース」と同じ。であればもう少し盛り上げて欲しかったなあ。