舘ひろし(1950年生まれ。今月末で74歳)、柴田恭兵(1951年生まれ。今夏73歳)。
さすがにもう無いだろうと思っていましたがありました。「帰ってきたあぶない刑事」。
流石に定年の壁は超えられなかったようで、ふたりは定年退職後ニュージーランドで探偵稼業をしておりましたが、現地の警官と問題をおこして探偵資格剥奪&出禁。
仕方なく戻って来たぜ横浜。
『8年か。あっという間だったな』
まあ、現況行政指導は「65迄歳は働かせろ」なので多少盛ったとしてもギリ許容範囲。
この最新作を記念して、ユージこと柴田恭兵演じる大下勇次の得物「S&W M10」がヘヴィウェイトモデルガンとして発売されることになりました。
デラックス版は本体+発火カートリッジ12発+バーティカルタイプの本革製ショルダーホルスターが付属するという文字通りの豪華仕様。
税込み85,800円で2024年5月発売予定。
実は2014年3月にも「ゴルゴ13」の生誕45周年を記念して「S&W M-10」モデルガンが発売されています(500丁限定。5万2290円)。
曼荼羅畑的には「ゴルゴ13」版を推すべきですが、もう10年も前ですし(反射的に「おすし」と続けたくなりましたが死語だよなぁ…)。
M10はスミス&ウェッソン社が開発した回転式拳銃。
1899年の発売当初はミリタリー&ポリス(Military & Police)と称されており、1957年にモデル・ナンバー制度が導入されたあとでも、通称として用いられています。
つまり、M10を時代を問わず「ミリタリー&ポリス」と呼ぶのはOKですが、M10と呼んでいいのは1957年以降ということです。
その通称の通り、世界各国の軍隊や警察において広く採用され、自動拳銃が主流となった現在でも香港などでは現役。日本でも引き続き使われている姿が確認されているそうです。
とまあ、世界的に広く普及している銃なので、映画やドラマの登場は激しく高頻度。西部劇におけるピースメーカーみたいなものです。
逆に、印象的な使われ方をする頻度は非常に低い銃でもあります。
主人公の愛銃となった珍しいケースが
「ブルースチール」(1990年/キャスリン・ビグロー監督)
ポリス・アカデミーを卒業し念願叶ってニューヨーク市警察に任官したメーガン・ターナー(ジェイミー・リー・カーティス)。初めて手にした(そして初めて人を殺した)銃がM10でした。
M10が印象的だった作品と言えば、
「ディア・ハンター」(1978年/マイケル・チミノ監督)
鉄工所仲間のスタン(ジョン・カザール!)が護身用と称して所持していたのが、2インチバレル、ニッケル仕上げのM10。
ベトナム帰りのマイケル(ロバート・デ・ニーロ)がこれを奪い取り、弾倉に一発だけ詰めてスタンの眉間に押し付け引き金を引くという嫌ぁなシーンがありました。
このカット、デニーロの要望で「実弾」だったそうです。
普通なら「ばっかテメ何言ってんだあぶねーだろ」と抗議する所ですが、カザールは何も言わなかったそうです。この時の彼の病状を思うとやるせなさひとしおです。
本作の象徴となった「ロシアンルーレット」、ベトコンの捕虜になったマイケルらがロシアンルーレットを強要されるシーンで使われていたのがM10以前(pre-M10と言うらしい)の銃、より正しい「ミリタリー&ポリス」でした。
あと「男たちの挽歌」(1986年/ジョン・ウー監督)でレスリー・チャンが射撃訓練場で打っていたのもM10でしたね。
M10買ったら、あれやこれやと想いを馳せてみるのも一興かと。
★関連作品レビューはこちら。
☜ランキング投票です。M10よりM36(チースペ)の方が好きだという方はワンポチを。