デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【時は来た!】裏社会の男たち【駄目だ笑ってしまう】

『かつてはやくざ組織も時に警察に協力していた時代もあったが、抗争を繰り返すやくざ組織に危機感を抱いた警察は、次第にやくざ組織を追い込んで行き、遂には日本全土のやくざ組織を壊滅させる事に成功した

ん?何気に聞き流してしまいましたが今何と?

日本全土のやくざ組織を壊滅?

それもうSFじゃん。

「裏社会の男たち」(2015年/OZAWA監督)

壊滅したかにみえたやくざ組織は、日本統一という偉業を成しえ、巨大企業に形を変えて存続し、有り余る資金で政治・経済の中核に潜り込んでいたのであった!(ベベン!)

何か「大激闘 マッドポリス80」のジャパンマフィアを思い出して笑ってしまいました。

会議の様子とかも何か似ているし。


巨大企業の名前はW.R.C(NPO法人世界救済センター。プロレス団体ではない)。活動原資は大手製薬会社・総合薬品からの提供資金。そしてアジア全土に広がりつつある新ドラッグ「BDL(ボーダレス)」の製造元と噂されるのが総合薬品。

依存性が無く、価格は覚醒剤より安く、検査しても反応が出ないという健康にもお財布にも履歴書にも優しい夢のエコドラッグBDL。

加えてW.R.C.はアジアの途上国に学校や病院をプレゼントして国際社会での地位も確立しているので警察が下手に手を出すと外交問題にも発展しかねない。

『やくざでいてくれた方が分かりやすかったわね』

『今までのまんまじゃ、勝てませんよ』

『なら何で作ったの!? この公安0(ゼロ)課をさ!?』


W.R.C.総裁(会長)は松方弘樹。脱税容疑で検挙されましたが裁判で逆転無罪。

『どう形を変えようと、我々の心根はやくざだ』


会長の脱税情報をリークした奴は誰だ!?という疑心暗鬼に駆られて内部分裂の兆候を見せ始めるW.R.C.と公安0課、そしてBDLの製造データ強奪を目論む中国と言うのが大まかな図式。

そんな中、会長が自動車事故に巻き込まれて死亡。組織弱体化を防ぐためには早急な会長選が必要ですが…。

公安の作戦はW.R.C.上層部に手なずけた密偵を送り込むこと。

この密偵を動かすのになにやら意識下の刷り込み洗脳(何かを切っ掛けに覚醒する。「テレフォン」方式)を用いているようなのですが、覚醒のキーワードになる言葉が「時は来た!」

いやあ「時は来た!」って聞くとどうしても橋本真也の迷台詞(後ろで吹き出す蝶野とセット)と「まちカドまぞく」の魔法少女・千代田桃の使い魔メタ子の決め台詞が同時に再生されて笑ってしまいます。


このやくざ×公安×中国マフィアの三つ巴戦、すげー中途半端な所で引き。次くらいで風呂敷畳むのかと思いきや何と「第二章」「第三章」「第四章」「第五章」「最終章」の全6部構成。

そんなにひっぱるネタじゃねーだろ!?

1本平均70分として420分。ないわー。第1章だけで結構ダレてる感あったのに。

役者は揃っている(小沢仁志、菅田俊中野英雄山口祥行小沢和義、そして松方弘樹)のに「引っ張る」前提だから展開が遅い遅い(それらしい「見せ場」があれば多少は締まるのですが、残念ながらそれもない)。

この👇カット(左)なんかもちっと頑張れば「新・仁義なき戦い」のOP(右)とタメ張れたのに。


中間すっ飛ばして「最終章」観て終わりにしちゃおうかな。

★ご参考

 

 

 

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