『馬鹿かてめぇは。俺はホモだがヤクザだぜ。甘ったれた事ぬかすんじゃねぇや』
金属バット振り回すシャブ中ホモ極道、門脇(名高達男)。
対するは伝説のヒットマン、富樫(松方弘樹)。
富樫はかつてこう呼ばれていました。
「殺し屋PAZUZU(パズズ)」(2000年/渡辺武監督)
パズズ…「エクソシスト」でリーガンにとり憑いた悪魔ですね。
片田舎の海沿いで「トガシ」という小さなレストランを営む富樫。
楽しみと言えば釣りと少ない客の相手くらい。人の好い親父。
人が好過ぎて友人の借金の保証人になって今日も借金取り(島田紳助)がこんにちは。
たまぁに昔のよしみで誰かの差し向けたヒッマンが襲ってくるのが玉に瑕。
ある日、店内でやくざ同士の揉め事発生。
どうやら組の金を着服した組員(桂ざこば)を若頭の門脇(名高)と子分の田野倉(京本政樹)が〆ている、という構図らしい。
家族を人質に取られた組員が窮鼠猫を噛む反撃に出たところを、富樫が絶妙な竿捌きで阻止。
結果的に門脇の命を救うことになり、恩人として感謝されてしまう富樫。
そんな悠々自適(?)な富樫の元に珍しく若い女性が。
彼女は富樫の殺しのパートナーだった南雲健作(石立鉄男)の娘・恵子(高橋かおり)。
富樫と南雲は10年前に地元選出の代議士である新倉殺しに失敗。富樫を逃がす為、南雲は盾となって命を落とし、それ以来富樫はライフルを握っていない…。
リベンジのため、再度の新倉殺しを富樫に依頼する恵子でしたが…。
リタイア・スナイパーの現場復帰という有り体なVシネなんですが、松方人脈でキャスティングがやたら豪華。釣り仲間の漁師に梅宮辰夫とか。
が、しかし、この豪華脇役陣を差し置いて私のイチオシはこの人。
翁華栄(おうふぁーろん)。
松方の首を(文字通り嗅覚だけで)付け狙う大陸のヒットマン。松方殺るまで帰国が叶わぬ殺しの単身赴任。
「極道黒社会」の田口トモロヲと全く同じ役柄ですね。
このカタコトの日本語と流暢な中国語を操る役者さん、三池監督もお気に入りのようでちょこちょこ端役で使っています。
「実録・安藤昇侠道伝 烈火」「漂流街 THE HAZARD CITY」「天国から来た男たち」などなど(三池が友情出演している「龍虎兄弟」とかにも)。
どれも出番僅かながら妙に印象に残る役者さんです(結構色んな作品に顔出ししているはずなのですが、NET上にも全然データがありません。誰かWikiに上げてくれないでしょうか)。
★ご参考
★その後の松方弘樹もひとつだけ。