デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

金融破滅ニッポン 桃源郷の人々(と私的三池映画BEST5)

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昨日の「荒川アンダーザブリッジ」から河川敷繋がりで。

「金融破滅ニッポン 桃源郷の人々」
2002年/三池崇史監督)


舞台は大阪。大手スーパー上底屋のチラシ印刷で喰っていた印刷工場の社長(徳井優)は朝刊の見出しを見て気絶寸前。

上底屋倒産。月末の手形が不渡りになったら間違いなく連鎖倒産。

連帯保証人の弟共々自己破産か…。いやそんな苦労背負い込むくらいならいっそのこと…。

自動車の排気口を車内に引っ張って南無阿弥陀仏。しかし、捨てる神あれば拾う浮浪者有り。

助けてくれたのは川沿いに出来たホームレスのコミューン桃源郷の人々。

仕切っているのは村長と呼ばれる謎の男(哀川翔)。

「自己破産はいかん。やるなら…夜逃げや」

村長の指揮の下、家財一式売却、子供と母親を弟夫婦に預けて、社長夫婦は桃源郷へ。

全てを失ったどん底。ここから始まる人生一発大逆転劇。元気になれる映画を1本挙げよと言われたら迷わずこれを推します。


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大阪が舞台と言いながら、当たり前のように新宿駅南口でもロケし、哀川は思い出したように博多弁を喋る奔放さ。相変わらずの三池ワールドです。

ツボに嵌ったところがふたつほど。

ひとつは村長の過去。何故かあちこち(それも裏社会)に通じている村長。闇金の社長に「俺を忘れたのか」とヅラを外してみせると…。

「あ、あんたは…!」同時に流れるギターの音色は…「極道黒社会」!

もうひとつは夜逃げの時にただひとつ値がつかなかった単色印刷機。この機械でカラー印刷4色刷り)をするのが徳井優の(親子二代に渡る)夢。

要するにシアン、イエロー、マゼンダ、ブラックのインクを順に入れて1版ずつ多重印刷していく訳なのですが、この工程が実にスペクタクル。

印刷業界に少しでも関わった人間なら絶対盛り上がります(最後に誤植を発見してしまう辺りもお約束)。

さて、折角なので、私的三池映画BEST5を挙げておきます。

  1. 大阪最強伝説 喧嘩の花道
  2. DEAD OR ALIVE 2 逃亡者
  3. 極道黒社会 RAINY DOG 
  4. 実録安藤昇侠道伝 烈火
  5. 金融破滅ニッポン 桃源郷の人々


次点として「極道恐怖大劇場 牛頭」と「中国の鳥人」を。

柏原芳恵の「レディハンター/殺しのプレリュード」も捨てがたいですが…。

 

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