デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

静謐なるゾンビ映画。 デモンズ’95

イメージ 1

静謐なゾンビ映画というものを初めて観ました。

「デモンズ95」(1994年/ミケーレ・ソアヴィ監督)

フランチェスコは町営共同墓地の管理人。最近の悩み事は埋葬後一週間(初七日?)で死者が蘇ってくること。助手のナギと共に死者のドタマかち割る日々。

素敵な未亡人と恋に落ちたのに、彼女は蘇った旦那に噛まれて死んじまった。死神は真っ昼間から難しい事話し掛けてくるし、もう何が現実で何が幻覚なのやら。

ミケーレ・ソアヴィはダリオ・アルジェントサスペリア撮った人ね)の一番弟子。一幅の絵のような、一篇の詩のような、幻想文学のようなホラーを創りあげました。

原題は「DELAMORTE DELAMORE」。DELAMORTEは「死」を表すフランチェスコの苗字、DELAMORTEは「愛」を表すフランチェスコの母親の結婚前の苗字。

こんな素晴らしいタイトルが何故かアメリカでは「CEMETERY MAN」。ただの墓守人ですよ。日本にいたっては縁もゆかりもない「デモンズ95」。売る気あんのかよ。

フランチェスコ(ルバート・エヴェリット)は阿部寛そっくりで助手のナギは内山信二そっくりなので妙に親近感が沸きます。

 
1995年ジュラルメール・ファンタスティック映画祭審査員特別賞・観客賞受賞。