2005年に敢えてヴゥードゥー・ゾンビに挑戦する心意気は買いますが、展開がおざなりなので、折角の題材が台無し。
3人がかりで脚本書いたのなら、1回くらいは読み返してディスカッションしろよ。
「ヴェノム/毒蛇男の恐怖」
(2005年/ジム・ギレスピー監督)
時は現代、ルイジアナ。都市開発で町外れの墓地が埋め立てられる事になりましたが、ハイチ系祈祷師婆ちゃんにとっては一大事。
何故って、そこには掘り起こされるとマズイものが埋めてあるから。
それは、祈祷によって吸い出した極悪人の魂を封じ込めた毒蛇たち。
雨の夜にこっそり掘り起こして持ち帰ろうとしたら、馬鹿なガキが橋のたもとに車停めたりしやがるから車線はみ出たトラックとぶつかりかけて橋からクリフ・ハンガー。
婆ちゃん助けようとしたトラック運転手レイは婆ちゃんの車もろとも河の中。這い出た蛇に噛まれつつ溺死(何て嫌な死に方だ!)。
幾多の極悪人の邪心を宿したレイは毒蛇男として復活、無差別殺人を繰り返す・・
ってプロットは凄く面白いのですが、ここから先がグダグダ。
折角、レイと仲たがいをしていた息子が出てくるのに、活用ゼロ。ルークとアナキンのような葛藤と覚醒のドラマを作ろうとは思わなかったのか。
祈祷師婆ちゃんの孫娘が登場するのに活躍ゼロ。婆ちゃんのマニュアルとか守護霊としての導きとか絶対結界線とかで、パズズ対カラス神父みたいな霊力の攻防戦を描こうとは思わなかったのか。
結局、姉ちゃんがトラックで体当たりって芸が無いにも程があるだろ。
終了後のスタッフ・クレジットが異様に長く唖然。こんな映画作るのにこれだけの人間が必要なのか? なんて歩留まりの悪いビジネスなんだ。
監督は「ラストサマー」撮った人。ティーンズ・ホラーのルーチンを知らぬ人ではないはずなのに・・。実に勿体無い仕上がりです。