デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

タイへ? スキャナーズ3

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前作で物足りなかったサイキック・ウォーズを大胆に取り入れたら、僅かに残っていた哀愁が根こそぎなくなって、安いアメコミみたいになってしまいましたが、まぁいいじゃないですか。

スキャナーズ3」(1991年/クリスチャン・デュゲイ監督)

力のコントロールが出来ず誤って親友を殺してしまったスキャナー、アレックス。

事故死扱いになったものの、絶望と贖罪の念に駆られたアレックスは単身タイへ。

姉のヘレナは偏頭痛に耐えかねて、安全性未確認の新薬エフ3を服用。頭痛は去ったものの、力の増大・良心の欠如・支配欲の覚醒という素敵過ぎる副作用が!

ヘレナは隔離されていたスキャナー軍団を解放、エフ3の投与と引き換えに忠誠を誓わせ、テレビ局を乗っ取り、思念を飛ばして世界征服を画策。

姉の邪心を察したアレックスはヘレナの送り込んだ刺客やムエタイの殺し屋をふっ飛ばして帰国。壮大な姉弟喧嘩の始まりです。

人が景気良く飛んでいくのは楽しいですが、睨めっこ顔面芸からのワイヤーふっ飛ばし芸という一本調子展開なので、絵的な変化に乏しいのが難点。

折角タイまで行ったんだから、力の制御とかケチな事言ってないで、ウパニシャッドのひとつも体得してレインボーマンのようなってムドラーでも唱えながら自然界のもの(大気や水)を味方につけて闘えばカルトな大傑作になったかもしれません。惜しいなあ。