デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

悪ふざけの相乗効果。 モンティ・パイソン・アンド・ナウ

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“風刺”と言うと知性溢るる高貴な笑いという印象になりますが、やはりパイソンズのやっていた事は単なる“悪ふざけ”だったのだと思います。

下品な笑いの中に意味を見出したかのように語る輩を見て、ひそかに馬鹿にしていた…のではないでしょうか。

この“悪ふざけ”に良い意味で触発されたのが日本の声優陣。

山田康雄、納谷悟郎、古川登志夫広川太一郎飯塚昭三青野武…(すげー面子だ)。

とりわけ広川氏の飛ばし具合は半端無く、その代表例が『このこのー、ちょんちょんなんだから、もーちょんちょん』。

そんな吹き替え大暴走を余すところ無く収録したのが、

モンティ・パイソン・アンド・ナウ[Blu-ray]」(1971年/イアン・マクノートンテリー・ギリアム監督)


オリジナルTVシリーズ(主として1期)のネタを摘んで撮り直し、単発ネタをバトンタッチ式に繋いだ初級パイソン講座です。

中継ぎに出てくるシュールなアニメはテリー・ギリアム作。

ネタの紹介は無粋の極みではありますが、私のお気に入りは、

「危険なポケット英会話ブック」・・外国人旅行者向けの正しくない英会話事例集。

凡例:駅にはどう行けばいいですか?→(英訳)→俺のケツ、舐めてくれたら言う事きいちゃう。

「恐怖のブラックメイル」・・浮気現場の隠し撮り映像をTV放送する公開脅迫番組。画面下には“口止め料”の金額が表示され、画像が進むに従い、パンパン跳ね上がっていく。

他にも「フルーツから身を護る方法」「殺人ジョーク」「死んだオウム」「第127回上流階級アホ決定戦」など不謹慎型脱力ギャグ目白押し。

「職業指導カウンセラー」とか、ある特定の職業を馬鹿にしまくっていますが、苦情は来なかったのでしょうか。

本作、冒頭に「PLAYBOY」のロゴが入っており、違和感満開。

何でも、「PLAYBOY」のプロデューサーであったヴィクター・ローンズが、「パイソンをアメリカに紹介して大儲け計画」を画策(←失敗)したのが製作のきっかけなんだとか。

本国オリジナルじゃなくて、東京12チャンネルでやっていた「空飛ぶモンティ・パイソン」(当然、タモリ・コーナー含む)のビデオが欲しいなぁ…。