アナログ特撮、最後の意地。
不定形のドロドロ野郎が人も街も飲み込んで大暴れ。
(1988年/チャック・ラッセル監督)
「マックィーンの絶対の危機(ピンチ)」(1958年)のリメイクですが、続編「人喰いアメーバの恐怖2」のテイストも混じっていて、抱き合わせリメイクって感じです。
スライム状のネバネバ生物が街を襲うというオーソドックスなお話ですが、捕食の描写に呵責が無いので、見応えがあります。
こいつが主役か?と思われたアメフト好青年が速攻で全身スライム。ガールフレンドが掴んだ腕はみちりと千切れてご臨終。
ホームレスは半身溶解、カーセックス中のアベックは空気の抜けた風船のようにしおしおのぱー(ケツの穴から中身全部吸われちゃった感じ)。
ダイナーの兄ちゃんなんか、ストローで吸われたプリンのように排水溝からゴー・トゥ・ヘル。
そして今のレートだったら1発でR指定間違いなしな“子供いただきます”。
脚本・フランク・ダラボン、撮影・マーク・アーウィン(クローネンバーグ組)という「遠慮って何?」な極悪コンビの為せる技です。
主役ブライアンにマット・ディロンの弟・ケヴィン・ディロン、ヒロイン・メグに「ソウ」シリーズ“アマンダ”のショウニー・スミスと微妙に豪華。
ブロブが、電話BOXを這い上がったり、天井を見上げるとカメラに向かって真っ直ぐに落ちてくる描写は、全く同じカットが「2020年の挑戦」に出てきますが偶然…か?
再リメイクの話が出てから随分経ちますが(2004年に企画GOサイン、2009年にロブ・ゾンビ監督就任の噂)、その後どうなっちゃったんでしょう。
本作、良く観るとチョイ役(兵士)でビル・モーズリィも出ています。ゾンビが監督なら、是非、続投(勿論もう少し大きい役で)してもらいたいものです。