でもね、骨で音を感じるなんて、そんなの初めて聞いた』
人、電脳、そして自我に目覚めたAI。
彼らを結んだ言葉は“仁義”。
「楽園追放 -Expelled from Paradise-」
(2014年/水島精二監督)
西暦2400年。地上は荒廃。人類の大半は電脳の楽園ディーヴァへ(データとなって)移住しましたが、そのディーヴァに地上世界から謎のハッキング攻撃が。
ディーヴァのシステム保安を担当する捜査官アンジェラは、フロンティアセッターと名乗る犯人を追って無秩序で危険な地表へと降下。
マテリアル・ボディを纏ったアンジェラを待っていたのは優秀だが素行不良な現地ガイド、ディンゴでした。
価値観のまるで違う男女が互いの距離感を探りながら信頼を勝ち得て行く王道ストーリー。
『何を手に入れ、何ができるのか。すべてが社会とやらの都合で決められる。
いつも誰かの顔色を窺って、褒められたり、気に入られたりしていないと満足に生きていくことすりゃできやしない』
楽園=徹底した管理=弾圧と支配というデストピア世界もSFの王道(目新しさがないとも言いますが…)
テロリストと思われたフロンティアセッターの正体は、かつての人類が残した夢を実現しようとしている自我に目覚めたAIでした。
景気のいいミサイル乱舞は板野サーカス。
男女共に声優陣は超豪華。どこかで見たぞ感満開ではありますが、作画と声優の頑張りで最後まで楽しめる作りにはなっています。
※余談ですが、“仁義”と言う時の手刀を切る動作が「大追跡」の“オットー”に見えて笑ってしまいました。