『そもそも機械は息もしないし意識もない。私たちが乗ってるこれと一緒だよ。機械は勝手に動いたり考えたりしない』
『じゃあさぁもし機械が1人でこっちに向かって歩いてきて「こんにちは!」って挨拶したらどうする?』
『そんな機械はないだろう』
《こんにちは》
…いた。
「少女終末旅行/第8話・生命」
(2017年12月1日TOKYO MX放送/土屋浩幸演出)
暗い道の続く建造物。そこはかつての食糧生産工場。今ある“原材料”は巨大な水槽を泳ぐ魚一匹のみ。
その魚の世話をしている小型ロボット1台と施設全体の管理(警備?)をしている大型ロボット(スマートなATATスノーウォーカーって感じ)1台。これが動いているモノの全て。
きました。これは好物な奴です。今は亡き主の訓えを守って働く健気な機械。
「サイレント・ランニング」来たぁ!(あるいは「天空の城ラピュタ」来たぁ!)←意地でも「ウォーリー」来たぁ!とは言わない。
静かな日常を脅かす存在(プラントの爆破命令とか悪しき支配者とか)も定番。ここでは資材調達等の理由で魚のいる水槽を解体しようとする巨大ロボ。
ならばこれを倒すのが主人公の仕事。
「何でだろう?あの魚を助けたい」
ルーク・スカイウォーカーばりの活躍でロボを倒すユーリ。爆破の前に『ごめんね、デカい奴』と謝るユーリがいい。
『人も機械も魚も都市も生きていてそれもいつか終わりがくるんだ…』
『ねぇチーちゃん、生命って終わりがあるってことなんじゃないかな?』
後に残るのはたった1匹の魚を守るロボット(植物の世話をするロボット、城主の墓に花を手向けキタキの巣を守るロボット)。
ただ流れる聖櫃な時間。
OPカット、EDも別仕様。生命=水というイメージがタルコフスキーっぽい。ちょっとした短編映画を観た気分になりました。