ロボットものの第1話に必要なもの。
主人公の心象風景、出合い(ボーイ・ミーツ・ガール)、突然の襲撃、偶然と必然による搭乗、初陣、ロボットの制御と覚醒、勝利。
ここまでが初回20数分に詰め込まれていれば完璧です。
完璧な第1話を見せて頂きました。
「ダーリン・イン・ザ・フランキス/第1話・独りとヒトリ」
(2018年1月13日/赤井俊文、錦織敦史演出)
荒廃した地上。人類が作り上げた巨大移動要塞都市。
フランクスと呼ばれる人型ロボット兵器に乗り込んで、叫竜(きょりゅう)と呼ばれる巨大生命体と戦うことだけを教え込まれた名前のないコドモ「パラサイト」。
フランクスを起動させるにはひと組の男女がネガティブとポジティブ、ふたつの信号を出し合うことが必要(「トップをねらえ2!」×「健全ロボ ダイミダラー」)。
この選ばれしエリートコースからこぼれ落ちたパラサイト、コード016(ヒロ)。
『(ここに居続ける意志は)…ありません』『僕はもう…エヴァには乗りません』
叫竜の血を引く異形の少女、パートナー殺しの異名を持つコード002(ゼロツー)。
『キミの能力は多分…まだ眠っているだけだよ。ボクなら引き出してあげられる』
居場所をなくした二人の出会い。
パートナーを亡くし、満身創痍で戦うゼロツー。そのコクピットに乗り込むヒロ。
『…へえ?死ぬ覚悟、あるの?』
『良く分からない…でも今のままだったら俺には居場所なんてどこにもない。死んでるのと変わらないんだ。だから!俺を乗せてくれ!』
『人間の涙…久しぶりに見た。その目、気に入ったよ…ドキドキする。キミを味あわせて…今からキミが…ボクのダーリンだ!』
キス、発光、変形(このトランスフォーム「キルラキル」だ。流石Trigger)。フランクスはかりそめの姿から真の姿へ。
一撃で叫竜のコアを撃ち抜くフランクス(やっぱコアなんだ…)。
要するに「使徒、襲来」と「アスカ来日」と「瞬間、心重ねて」と「男の戦い」を1話の中にぶち込んでしまった、そんな感じです。
デジャヴと言うなかれ。トレスと言うなかれ。いわんやパクリと言うなかれ。
元ネタに関わった人間や、その元ネタに触発された人間が分かった上でやっている確信犯。いわば名刺代わりのご挨拶。
次の展開に期待しましょう。