♪ この世はもうじきお終いだ。
俺たちゃ毎晩お祭りだ。
むすんでひらいて蓮の花。
曼荼羅曼荼羅 朝ぼらけ
マリリン・モンロー・ノーリターン
野坂昭如に彩られた野良犬の挽歌。
「現代やくざ 血桜三兄弟」(1971年/中島貞夫監督)
男性の「ん゛!」「あ゛~」「ふぁ!」といったコーラス(合いの手?)が入るフュージョンなOPがいい感じ(音楽は山下毅雄)。
三兄弟というのは菅原文太(組織に嫌気がさして足を洗った元やくざ)、伊吹吾郎(組織の中でのし上がることのみを考える現役やくざ)、渡瀬恒彦(毎度お馴染み狂犬やくざ)の3人。
皆素晴らしい存在感ですが、美味しい所を持っていったのは小池朝雄と荒木一郎。
大阪やくざの鉄砲玉として単身岐阜に乗り込んでくる小池が妙にダンディ。
ホテルで着くや得物のワルサーP38を分解お手入れ。ビシッとスーツをキメると夜の街へ。
『俺がスコッチって言ったらボトルごとだ。覚えておけ』
荒木一郎は菅原の経営するカフェで働いているショボ~い三下(あだ名はモグラ。26歳童貞)。いつか見ていろ俺だって…な純度100%なヘタレ男…なのですが、抗争の中で思わぬ伏兵に。
ダンディ小池とヘタレー荒木。真逆なキャラが運命の糸で命のやりとり。
クライマックスは三兄弟揃い踏みの殴り込み。大阪はもとより日和って子分を売った岐阜の親分もまとめて成敗。
二丁拳銃乱れ撃つ伊吹吾郎はチョウ・ユンファの佇まい。手榴弾はないが火炎瓶ならある。とどめは勿論ドス祭り。
ジョン・ウー絶対観てますよね、これ。
※実は一番印象に残ったのは、菅原が仕切った小さなストリップ興業。何と言うか踊り子さんの年齢と体のだらしなさが場末感満開で、素晴らしいモデルチョイスだと思いましたです、はい。