『伊藤さん、トマトジュースの賞味期限1年延ばしました』
『何で?製缶技術でも向上した?』
『いえ、カ●メが延ばしたので』
『それだけ?』
『それだけです』
コンビニが作る独自商品をPB(プライベート・ブランド)と言います。
※本来はNB(ナショナル・ブランド)の反対概念なので、大手チェーンの名前を冠した商品はSB(ストア・ブランド)と呼ぶのが正解なのですが、PBが定着しちゃったので誤用を承知でPBと呼びます。
さて、弱小コンビニのPB開発にはちょっとしたルールがあります(ありました)。
- 既に大手が先行して販売している商品の後を追う(間違っても杜仲茶が売れそうだからドクダミ茶を出そうとか思ってはいけない)。
- 最も売れているナショナルブランドに似せたデザインにする(烏龍茶なら金地に黒文字、コーラなら赤地に白文字、ダイエットコークなら白地に赤文字、日本茶なら黄緑地に黒の墨文字といった具合)。
勿論、価格はNBより大幅に安く。
昔、緑茶のPBを作った時の話。
商品名は「おいしいお茶」。
デザインは上記ルールに則りながら描き方にちょっとひと工夫。
まず「お」をでっかく書く。次に「い」を小さく。「し」を縦に伸ばしてハネは小さく。最後に「い」を大きく。
これを縦に並べて遠くから見るとあら不思議。「おーいお茶」に見えるじゃありませんか。
イメージ図
もうひとつ大切なのは置き場所。
NBはリーチイン(大抵はレジの対面壁にある透明ドアのでっかい冷蔵庫)の奥(右開きドアなら右手奥)、そしてPBは手前(取っ手のそば)。
何故、手前に置くのか。ドアをちょっと開けただけで取れる位置だからです。
急いでいる人ならNBと間違えて手に取ってしまうかもしれません。
因みに壁に密着していて商品補充が前面からしかできないのがリーチイン。裏に人が入る空間があって背面から商品補充できるのがウォークインです。
「宇宙よりも遠い場所」でキマリと日向がバイトしていたコンビニにあったのがウォークインですね。
この「寄らば大樹の影」的(冒険心ゼロ、リスク極限回避な)発想をセコイと言ってはいけません。弱小には弱小なりの戦い方があるのです(結局負けましたが…)。
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★本日11月11日は「ピーナッツの日」。そのまんまですが、
内村さん、3年連続紅白総合司会、おめでとうございます。