
メジャーな作品に便乗し、内容をパクった挙句、タイトルも紛らわしくする映画をモックバスターと言うそうな。
大ヒット作を意味するブロックバスターと模倣を意味するモックを掛けた造語です。
このモックバスターを社是にしているんじゃないかとすら思える会社、アサイラムが作ったのが、
「エクスペンダブル・レディズ」(2014年/クリストファー・レイ監督)
説明不要ですね(笑)。
カザフスタンを訪問中のアメリカ大統領の娘がテロ組織に拉致られた! CIAは人手不足だ。特赦を餌に収監中の腕利きを集めて傭兵部隊結成!
『48時間以内に大統領の娘を救出して来い!』
リーダーは「デス・プルーフ」のゾーイ・ベル。

爆破のプロにニコール・ビルダーバック。そして、テロ組織リーダーにスタローン元妻・ブリジット・コブラ・ニールセン。

姐さん、顔、怖いっす…。
見事な布陣です(いっそ清々しい。代表作が「チアーズ」のニコールがちと異質ですが、あれもある意味アクション映画ですし)。

監督は「ダブルヘッド・ジョーズ」「トリプルヘッド・ジョーズ」「メガシャークVSグレート・タイタン」撮った人。
やり逃げ企画相手に脚本が悪いの演出がヌルいの言っても仕方ありません。香ばしく年輪を重ねた熟女のアクションを楽しみましょう。
★出演者の華麗なるプロフィール
★監督の華麗なるフィルモグラフィー
ついでなのでモックバスターについて少々。
映画業界用語のようですが、流通の世界(昔ちょっといた)でも、この考え方はスタンダード。
コンビニが作る独自の商品をPB(プライベート・ブランド。正確にはストアブランドですがPBの方が定着してしまった)と言いますが、作り方の基本は「一番売れているNB(ナショナル・ブランド)に似せること」。正にモック。
烏龍茶なら黒と銀がベース、コーラなら赤(ダイエットなら白)、緑茶ならライトグリーン。
以前、私がいたチェーンで緑茶のPBを作りました。商品名は「おいしいお茶」。
書き方にちょっとしたコツがあって、まず「お」をでっかく書きます。「い」はできるだけ小さく、「し」は縦長に。「い」は大きく。
するとあら不思議。遠目には「お~いお茶」に見えるじゃありませんか。
これをリーチインの手前に置く(奥に入れるとドアを大きく開かないと取れませんが、手前ならちょっと開いただけで取れる)。
急いでいる人は「お~いお茶」と間違えて買ってくださる訳です。
姑息と嗤うなかれ。弱小チェーンの生きる智恵です。