『海から出るからよ』
Should've stayed in the ocean, BITCH!
一応、「ジョーズ」の決め台詞(Smile, you son of a BITCH!)の韻だけは踏んでいます。
「サマー・シャーク・アタック」
(2016年/ミスティ・タリー監督)
アマプラ版は「Summer Shark Attack」になっていましたが、原題は「Ozark Sharks」。
Ozarkとはミズーリ州南部オザーク地方の事。住んでいるのはヒルビリーと呼ばれる白人貧困層。
主要産業は麻薬。寒村部に行けば村全体が麻薬製造で成り立っている、なんて所もあるそうで。
オザーク(の寒村)を舞台にした映画で有名なのが「ウィンターズ・ボーン」。
Netflixの人気シリーズ「オザークへようこそ」は、オザークで麻薬組織の資金洗浄をしようとする主人公が家族もろとも事件に巻き込まれていく物語でした。
しかし、この危険地帯オザークは屈指のリゾート地でもあります。
その中心が、表面積240㎢(大阪市より広い)、流域(雨や雪が流れ込む範囲)面積36,300㎢(台湾より広い)と言うとんでもない広さを誇る人工湖、オザークス湖。
…と言うその気になればテーマ的にも映像的にもあれこれ狙えるロケーション…だったのですが(金がないって悲しいなぁ…)。
お話は簡単。とある一家が休日にオザークス湖(の花火大会)を訪れたら人喰いサメがこんにちは。
オザークス湖はダム建設のために元々あった川を堰き止めて作った人工湖なので、サメが逆流してくる事もあるでしょうし、撮影場所がどう見ても浅い川(実際の撮影場所はルイジアナ州のバトンルージュってトコらしい)なのも納得。
日本語にしちゃうとピンボケですがOZARK SHARK…ダジャレです。
最初の犠牲者がちょっと意表を突いているのと、1匹撃退したと思ったら群れだったってな辺りは高ポイント。
武器マニアの変人(現地売店の親父)がいるというお約束もグッド(金さえあれば間違いなくダニー・トレホに振るキャラクター)。
がっくりポイントは、
CGがショボイにも程がある。
これに尽きます。他にも「ビキニ美女が少ない」とか「全くリゾートに見えない」とか「観光客少なすぎ」とか「川の水が汚い(リアリズム…なのか?)」とかありますが、ここらは「みんなビンボが悪いんや」な所なので、生暖かく見守るとして…。
解せないのは登場人物らの行動基準。
「サメがいる、危険だ」って保安官に通報するのは良いですが、何故チャラ男に電話させる?
当然「飲んでるのか。いたずらも大概にしな」で切られてしまう訳ですが、現地武器マニアの売店親父なら「あー俺だけどサメがいるぞ」で通じたはず。
お父ちゃん、指嚙み切られたのに消毒もしないで包帯だけで元気一杯。いや救急車呼べよ。
サメ退治に奔走しているの主人公一家だけで他の人は見ているだけ。少しは手伝えよ。全員背景エキストラかいな(最後に歓声だけはあげる)。
退治方法は(リアリティは彼岸の彼方ですが)それなりに凝っているので、もうこの方向(謎の武器を駆使して無茶とトンチで乗り切る)に振り切っていれば、トンデモな逸品として心に残ったかもしれません。
ちょっと惜しい。でもこの👇ポスターはなかなか。
因みに主人公ハリソン役のデイヴ・デイヴィスは「ゴースト・シャーク」に、その友人(チャラ男)カーティス役のロス・ブリッツは「ゾンビシャーク 感染鮫」に出ています。
夢の競演ですね。
★オザークについて知りたい人はこちら。
★主役二人の華麗なるフィルモグラフィーはこちら。
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★本日8月8日は、論理物理学者ポール・ディラック(1902~1984)の誕生日。
出どころは勿論「新世紀エヴァンゲリオン/第16話・死に至る病、そして」。
これを引用元に二次展開したのが、