『まさか…ドアの奥のドアの奥のドアの奥にまたドアがあるのでは…』
Netflixで独占配信だった「伊藤潤二マニアック」がTOKYO MXで地上波放送開始。
やはりご紹介1発目はこの人から。釘を咥えた小学生・双一君の登場です。
「伊藤潤二マニアック/第4話・STORY1 四重壁の部屋」(2024年7月28日TOKYO MX放送/田中貴大演出)
受験を控えた公一が勉強を始めると決まって入るのが弟・双一の妨害工作。音で、声で、ピアノ線使ったポルターガイスト現象まで。
公一から陳情(?)を受けた父は知り合いの大工に頼んで公一の部屋を「防音仕様」に改造する事に。
やって来たのは双一を5割増しで不気味にした大工・互須さん。防音の為に部屋を四重壁にするという(それ魔改造って言わねぇか)。
何故か双一の釘打ちを評価した互須さんは双一を弟子のように使って、お部屋を改造。
完成した公一の部屋は、ドアの奥にドアが、そのまた奥にドアが…というマトリョーシカ仕様。
最奥には棺のような極狭空間が。確かに外部の音は綺麗に遮断している。これなら落ち着いて勉強が…と思ったら壁越しに「ミーンミンミン」という蝉、いや双一の声が。
部屋の周囲に出来た空間を巧みに使って移動し、妨害を仕掛けているらしい。
許さん、双一! 公一が怒りの追撃開始。しかし、部屋の周囲は忍者屋敷のような罠の多層構造に。
家の中に家という多層構造は「ツールボックス・マーダーズ」(2003)を、いつの間にか家の中に知らない空間がという隙間増改築は「クリスチーナの館」(1999)を、家の中のブービートラップは「ワナオトコ」(2009)を思い出しますが、「四重壁の部屋」はこれらすべてに先んじる1995年もの(月刊ハロウィン掲載)。
流石です双一あいや伊藤潤二。
「伊藤潤二マニアック/第4話・STORY2 睡魔の部屋」(2024年7月28日TOKYO MX放送/田中貴大演出)
平野雄二はもう3日も眠っていない。眠ると体内にいるもうひとりの自分が出てきてしまうから。
普通こういう設定だと二重人格的に性格が入れ替わる感じを想像しますが、雄二は違いました。
何と口を起点に裏返し。雄二は全身空洞のリバーシブル仕様だったのです。
裏返りを阻止するため、恋人・マリが自分の腕と有事の腕をガムテでぐるぐる巻きにしますが、雄二はマリも飲み込みながら裏返り。
自分でも何を言っているのか分かりませんが、絵面はこんな👇感じ。
全身裏返りと言えば「ザ・フライ」(1986)の猿裏返り(転送失敗)を、眠ったらエラいこっちゃは「新トワイライトゾーン/シーズン1第4話・帰還兵」(1985)を思い出しますが、こっちはギリ実写の方が先んじておりました(「睡魔の部屋」掲載は「月刊ハロウィン」1988年5月号)。
いや、しかし、この裏帰りの様子はいかにもクローネンバーグ。いつかクローネンバーグ監督で実写化してほしいものです。
★ご参考色々。
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