『ここが下界…なんて素敵な。ここで私は絶対人々を幸せに導く立派な天使になってみせます!』
が、しかし…。
『私達人間界に来てしばらく経つでしょ。実際に来て思ったんだけどさ。人間ってこんなにたくさんいらなくない?うじゃうじゃうぜぇ』
『天使の言葉とは思えないわね…』←悪魔の言葉。
天界の天使学校を首席で卒業し、人間という生き物を知るために下界に舞い降りた天使・天真=ガヴリール=ホワイト(ガヴ)。
夢と志に溢れたわくわく下界(高校)生活でしたが、思わぬ落とし穴が…それはネトゲ。
課金アイテムに手を出したガヴリエルは一瞬で闇落ち、垂直落下でやさぐれ堕(駄)天使にドロップアウト。
「ガヴリールドロップアウト」
(2017年1月-3月放送/太田雅彦監督)
ガヴリエルの周りには天使や悪魔が入り乱れ。
汚部屋でゴミに埋もれ昼も夜もなくネトゲに没頭するガヴリールの教育的指導(←限りなく徒労)に挑むのが悪魔・月乃瀬=ヴィネット=エイプリル(ヴィーネ)。
下界で道に迷っていた時に闇落ち前のカヴリールに助けられたのが縁で、いつしかカヴの世話女房的ポジションに。
『朝っぱらから何やってんのよガヴ。天使がそんなんじゃ駄目じゃない』
『なんてことしてんのヴィーネ!今ヴァルハラ王国が危機的状況なんだよ!』
朝は起こしに来てくれる。宿題写させてくれる。料理してくれる。公園掃除して子供と遊び困った人は助けてクリスマスは大はしゃぎ。もうヴィーネさん天使。どこが天使ってマジ天使。
クラスメイトには悪魔らしい悪魔も。
『私は地獄の支配者になる者、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!この世の悪しきことは私の為にある!恐怖するがいい人間ども!』
通称サターニャ。まあ悪魔というよりは“痛い子”ですね。勝手にカヴをライバル視して姑息に仕掛けて景気よく返り討ちに遭うまでがお約束。
『ガヴちゃ~ん。今日もやさぐれ可愛いですね』
『胸押し付けんな』『じゃあ乗せちゃいま~す』
この痛悪魔サターニャを騙しからかい弄ぶドSの天使が白羽=ラフィエル=エインズワース(ラフィ)。
ガヴに次ぐ天使学校次席卒業の秀才…なんですが、常に物事をややこしい方に転がして楽しむ変態さんです。この変態さんの趣味のひとつが映画ビデオ鑑賞。
『両方日本語にして音声と字幕の違いを見るのが面白いんですよ』
『それ楽しみ方間違ってるから!』
いやいやいや、何をおっしゃいますやらヴィーネさん。楽しいですよ、これ。
特に“誤訳の女王”が字幕担当した映画でこれやると最高。吹き替えの方は大抵マトモな人が担当しているので落差浮き彫り。
『嗚呼、このお婆さんは英語も駄目だが日本語はもっと駄目なんだなぁ』という事が実感できます。お薦め。
小道具で注目はカヴが所持している「世界の終わりを告げるラッパ」。
文字通り吹けば人類あぼ~んな破滅の調べを奏でるラッパなのですが…欲しい。DEATH NOTEの次くらいに欲しい。
カヴは割としょーもない理由で度々このラッパを吹こうとしますが、その都度ヴィーネに阻止されています(いやもうどっちが天使でどっちが悪魔だか…)。
このラッパがあれば「そらのおとしもの」の石板は(書かれた願いのほとんどが叶うという意味で)必要なくなってしまいますね。
末節な事ですがガヴリールがカブリエルの事なら英語表記GABRIELなので「ヴ」を充てるのは間違いな気がいたしますが、分かってやってるんでしょうね、きっと(宗教団体からの抗議をかわすための目くらましという可能性もありますし)。