フランスの古城。クラシック界の救世主と言われながら、妻子を捨てて隠遁し、表舞台から姿を消した音楽家リチャード・マーロウ。
外界を拒絶して作り上げたバイオリン・ソナタ。
完成の夜、マーロウは己の体に火を放ち絶命。
遺作を含む全ての財産はひとり娘・ローズの元へ。
「デビルズ・ソナタ」
(2018年/アンドリュー・デズモンド監督)
原題は「THE SONATA」。70年代なら間違いなく「惡魔のソナタ」だったでしょう。
ってか現代でも「惡魔のソナタ」にすべきだったと思います。「デビルズ・ソナタ」じゃ安っぽ過ぎ。
実際お話の建て付けはB級。しかし、古城とそこに並ぶ家具・調度品、そして何よりリチャード・マーロウを演じたルトガー・ハウアーが作品のランクをひとつ半押し上げています。
ロケ地はラトビア
ローズ(フレイヤ・ティングリー)は幼少期より天才と謳われたイギリス人バイオリニスト。
彼女の元に届けられた父マーロウ急死の知らせ。
自分と母を棄てた男に未練も興味もありませんが、晩年を過ごしたと言うフランスの古城を訪れてみることにしたローズ。
父の書斎には遺作となったバイオリン・ソナタの譜面。その端々に書き込まれた見た事の無い記号。
音楽記号…では恐らくない。
それは楽譜を完全なものにするためのヒント。
譜面が完全再現された時、その音楽はこの世ならざる者を召還する招きの調べに変貌する。
CGは…使わない方が良かったなあ(一気に安っぽくなる)。
もう少しマーロウがオカルト的な側面に惹かれていく過程が描かれていると彼の異常な行動(人の道を大きく踏み外した儀式を行っていた)の動機が分かって良かったと思います。
にしてもクラシック音楽とオカルトは親和性が高いですね。
★ご参考~クラシック+オカルトと言えば…。
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★本日4月24日は神代辰巳監督(1927~1995)の誕生日。
神代作品を単独で取り上げたことはないのですが(すみません!)、安岡力也兄ィの追悼記事の時にちょろっと触れているので、今回はこちらを。
★もうひとり、本日はギター演奏家ジョン・ウィリアムス(1941~。有名作曲家とは別人。因みに作曲家の方は最後のsが濁音でズ)の誕生日(おめでとうございます!)
ジョン・ウィリアムスと言えば「ディア・ハンター」のテーマ曲「カヴァティーナ」
この曲にまつわる与太話は…
★★★★★★★★★★★★ STOP PRESS ★★★★★★★★★★★★
追悼:隆大介
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隆大介さんがお亡くなりになりました(なっていました)。
4月11日。自宅にて頭蓋内出血を発症して急逝。64歳没。
隆大介と言えば「影武者」の織田信長、NHK「峠の群像」の浅野内匠頭、「五条霊戦記 GOJOE」の武蔵坊弁慶、そして何と言っても「ウルトラマンダイナ」のアスカ・カズマが印象深いですが、本日は社会派なこの1本を。
ご冥福をお祈りいたします。