『もう一度行けキラー・カーン!もう一度あの凄いニードロップを見せろ!』
若林アナの絶叫。
『3つだ!3つだー!』
指を3本立てて、スリーカウントをアピールするモンゴルの巨人。
アンドレの脚を折った男、デビューしたての谷津嘉章に「プロレスの真実」を教えた男、キラー・カーン(本名・小澤正志)がお亡くなりになりました。
2023年12月29日20時30分ごろ、新宿の自店「カンちゃんの人情酒場」で接客中にカウンターで意識を失い倒れ、蘇生措置を受けて病院に救急搬送されましたが意識を回復することなく同日22時4分、動脈破裂のため死去。
伝え聞く範囲の話ではありますが、けじめとか矜持とか良心とかをしっかり持っていた方だったようです。
私的ベストバウトは、
「キラー・カーン対長州力」(1986年7月31日/全日本プロレス サマーアクションシリーズ最終戦/両国国技館)
あれこれ遺恨が重なっての完全決着ルール。時間無制限1本勝負。
わたくし、この試合、マス席で観戦しておりました。
ジャパン・プロレスと袂を別ってカルガリー・ハリケーンズと共闘していた時期だったので、カーンの入場曲は「ハリケーンズ・バム(ストロング・マシーンのテーマ)」。
対する長州の入場曲は勿論「パワー・ホール」。偶然にも平沢進(ハリケーンズ・バムは福来良夫名義、パワー・ホールは異母犯抄名義)作成曲の共演となりました。
全日本のリングに上がる長州とカーン。TV放送時は実況・若林健治、解説・ジャイアント馬場。ちょっと前なら想像もできなかった組み合わせ。
当時は生粋の長州ファンだったので、長州一辺倒な応援をしていましたが、改めてこの試合を観ると、一本調子な長州の攻めを巧者カーンが右に左に受け流しながら、全体の流れを作っているように受け取れます。
トップロープからのダブル・ニードロップ、更にジャンプしてのダブル・ニーをキメましたが惜しくもカウント・ツー。
ここで指を3本立ながら「3つだ!3つだー!」絶叫アピール。
最後はバックドロップからのラリアット2連発を喰らって16分56秒無念のフォール。
生観戦しても大抵の試合は時間と共に細部が消失していくものなのですが、この試合はカーンの「3つだ」アピールと共に記憶に焼き付いておりました。
謹んで哀悼を(どこかに「スナック カンちゃん」のロゴ入りライターがあったはずなのですが、見つかりませんでした)。
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★本日1月2日は岡本信人(1948~)の誕生日(おめでとうございます!)。
個人的に印象に残っているのは「必殺必中仕事屋家業」の密偵・利助だったりするのですが、今回はちょっと飛び道具でこちらを。
★本日のTV放送【13:00~BS-TBS】