デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【フラッシュビームかよ!?】ターミネーター:ニュー・フェイト【敵の隠し芸は二人羽織】

最初は「サラ・コナー 帰還の挨拶」という見出しにしようかなぁと思っておりました。

実際、サラ・コナー登場カットまではすこぶる快調で結構「いい感じ」。しかし、終わってみれば「なんだかなぁ」。

ターミネーター:ニュー・フェイト」(2019年/ティム・ミラー監督)

「2」直球の続編という煽りでしたが、お話はまるっと「2」の焼き直し。スカイネットによる災厄は防いだものの、結局「可能性の次点候補が繰り上げ当選」となってやはり未来は良い事なし。

スカイネットの代わりに人類殲滅を先導しているのはAI「リージョン」。

リージョンはレジスタンスのリーダーとなるダニー(ナタリア・レイエス)を抹殺すべく最新型ターミネーターRev-9を過去へ。

レジスタンスはダニーを守るため、強化型兵士グレース(マッケンジー・デイヴィス)を同じ時代へ。

毎回思う事ですが、指定した過去の時間軸に必然性ってあるんですかね。ダニーが子供の時でも「1」のように生まれる前に母親を、でもいいわけなんですが…。

最初の見せ場は「2」同様カーチェイス

ダニーが自動車工場に勤めているため、そこにあったごっつい車(前面にブレードを装着したブルドーザーみたいな奴)で追いかけてくるのですが、もしこの工場がコマツの組立ラインだったらもっのすげー事になっていたでしょうね。


敵キャラRev-9の隠し芸は「二人羽織」。表皮部分と骨格部分がずるりと分離して別行動。分身の術みたいなものですが、理屈が全く理解できません。


で、すみません、ここからネタバレです。

Rev-9の弱点は電磁パルス。しかし、入手したEMP兵器はあれこれあって使用不能

代わりに使えるのがグレースの動力源「パワーパック」。

ダニーが瀕死のグレースの腹裂いて手突っ込んでむんずと引こずり出すのですが、そんな簡単に取り出せるのか? あとそのパワーパック、どことも繋がっていた形跡がありませんが、腹の中に転がしておくだけで動力として稼働するのか?(仮面ライダーBLACKのキングストーンみたいなものか)。


これをどう使うのかとか何の説明もなく、ダニーはナイフのようにかざしてRev-9に立ち向かいますが、通じるわきゃありません。軽く弾かれてころころころ。

あーこれフラッシュビーム落とした時のハヤタじゃん。やっすい演出だなぁ。


テンポ良く盛り沢山ではありましたが、長かった(129分)割には語るべきところのない凡作でございました。

ジョン・コナー抹殺に成功して目的を見失ったT-800(シュワ)が、人間的良心に目覚め、とある母子を支えながら「人」として生きていたってのも「なんだかなぁ」でしたし。

とは言え、「凡作」の一言で終わっては、肉体改造に約1年かけてサラ役に臨んだリンダ・ハミルトンに申し訳ないので、彼女の出番絡みの解説を少々。

Rev-9に追われるダニー&グレースを救出に来たサラが手にしていた得物は「Fostech Origin-12」


アメリカのフォステック・アウトドア社が2013年に開発したボックスマガジンタイプの12ゲージセミオート式散弾銃。世界最速のセミオートショットガンです。

使えるマガジンは5、8、または10発のボックスマガジンですが、20または30発のドラムマガジンも使用できます(サラの腰の辺りにあるでっかい丸いのが30発ドラムマガジン)。

で、その後にぶっ放すのが、使い捨て対戦車ロケット弾M72 LAW【Light Anti-Tank(Anti-Armor) Weapon】。


アメリカ陸軍では、朝鮮戦争以後バズーカの後継装備品として導入されました。

対戦車ロケット弾構えて様になる62歳(今年9月で68歳)。流石です。

★ご参考

 

 

 

 

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★本日のTV放送❶【13:10~NHK BS/プレミアムシネマ】

※これも大概ヘヴィロテだなぁ。分かっているだけで、2023.12.26(BS12)、2023.07.29(BS12)、2023.06.30(日テレ)、2022.04.24(BS日テレ)、2022.02.06(BS日テレ)、2021.11.19(テレビ東京)、2020.12.05(BS朝日)、2019.12.31(BSプレミアム←現NHK BS)。版権フリーレベルの大放送だ。

 

★本日のTV放送❷【21:00~BS松竹/土曜ゴールデンシアター】