デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【神の尊厳を回復するには】オーメン:ザ・ファースト【反キリスト者の生誕が必要】

『シスター、何故“悪い子の部屋”なんかがあるんですか?』

(Sister, Why is there a BADROOM?)

『悪い子がいるからよ』

(Because Some Girls are BAD)


1971年、ローマ。教会内にある孤児院に修道女見習いのアメリカ人マーガレット(ネル・タイガー・フリー)がやってきました。

そこには「悪い子の部屋」と呼ばれる一種の監禁部屋があり、中には年長の少女カルリータ(ニコール・ソラーチェ)が。

修道院長の指示に逆らってカルリータと親交を計るマーガレットでしたが…。

オーメン:ザ・ファースト」(2024年/アルカシャ・スティーヴンソン監督)

あの「オーメン」(1976年/リチャード・ドナー監督)の前日譚。ダミアン誕生秘話です。

舞台となった1971年のローマは暴動頻発。暴れているのは若者。怒りの矛先は教会に代表される「権威」。

もはや信仰は消え去り、誰も神の名を口にしない。再び人が神にすがるようにするにはどうすれば良いか。

行きついた答えが「自らの手で反キリストを誕生させる」

まあ、国民の愛国心を高めるためにテロ国家を支援する、みたいな感じでしょうか。

山犬の悪魔と交わった女が産み落とした赤ん坊は全て女児。そして一人を除いて全員死産もしくは畸形で出産直後に死亡。唯一の生き残りがカルリータ。

嫌なファイルだなぁ…。


カルリータが再度、山犬の悪魔と交われば、必ず反キリストが…。

あれ? ダミアンって母親が山犬なんじゃなかったっけ?

という疑問を持ってはいけません。いいじゃないですか、父親が山犬だったんですよ。

アメリカ娘がヨーロッパの寄宿舎に招かれ、陰謀に巻き込まれる(ルームメイトは顔が濃い)という建て付けは、まんまサスペリア

中庭に面したベランダに女が立てば、次に何が起きるかは皆さんご承知ですが、ただのジャンピング首吊りでなく「焼身」も加えている辺りエクソシスト2リスペクト。


得体の知れない舌のようなものがぺろーんな幻想は「エルム街」っぽい。


受胎と出産がテーマになっているのはローズマリーの赤ちゃんだと思いますが、絵面は「ポゼッション」(1981年/アンジェイ・ズラウスキー監督)。

マーガレットが垣間見る施設内での出産シーンは恐らく(レーティングがNC-17になるかR指定に留まるかで)MPAと揉めた所だと思いますが、衝撃という意味ではそれほどでも。

左側上下は海外版。右が国内版。


もうザ・フライのこの👇シーンに比べたら、どんな出産シーンも怖くありません。


70年代初頭のローマの雰囲気(カップルの服とか車とか)は良く出ていたと思いますし、オリジナルに繋げる語り口もまずまずで、必要以上に派手さのない良く出来た前日譚であったと思います。

溜めに溜めてここ一番で「アヴェ・サターニ」が流れた時は鳥肌が立ちました。

★残念無双だったリメイクはこちら。

 

 

 

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