文字通りの「地下ビデオ」でした。
「ビデオドローム」
(1982年/デビッド・クローネンバーグ監督)
レンタルビデオ黎明期、日本未公開の話題作が、日本語字幕入りの海賊版として出回っていた時期がありました。これはそんな1本。
ダビングを繰り返してガサガサとささくれ立った画面の中で「この世のものとは思えない」気色悪い世界が蠢いておりました。
過激な暴力を売り物にしているカナダのローカルテレビ局「チャンネル84」。
社長のマックス(ハリウッド巨根伝説ジェームズ・ウッズ)は偶然、暴力と拷問を延々たれ流す謎の海賊番組を傍受します。
それは見た者の体内に腫瘍を作りやがて幻覚をもたらすプログラム「ビデオドローム」。
ビデオテープは息づき、画面はせり出し、腹は裂け、銃はドリルで手と一体化し、う~ん気持ち悪い(特殊メイクはリック・ベイカー!)。
陰謀の底の浅さや、オチのあっけなさを見れば、クローネンバーグがやりたかったのは、これらグッチョリネチョネチョな映像だけでストーリーなんかどうでもよかったというのが良く分かります。
社会批判(メディア批判)のような事も言ってるのですが、正直「兄ちゃん,何言ってんねん」って感じです。
ヒロインはブロンディのボーカル、デボラ・ハリー。
こういう人の事を「エロかっちょいい」と言うのだと思います。
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