『Death To Videodrome! Long Live The New Fresh!』
1984年8月、場末の地下ビデオ屋で借りた海賊版ビデオ。
ガサガサの画面の中に映っていた物は、息づくビデオ、巨大な唇となってせり出してくるブラウン管(真の3D!)、その中に顔を埋める男、拳銃と融合する手、急激に成長した脳腫瘍に内部からカチ割られる頭・・。
前世代メディアであるビデオテープ(しかもベータ)を小道具にした映画の海賊版というダブル・アナクロ映像の思い出が、Blu‐rayで“色鮮やかに”復活。
マスターは、画質に定評のあるクライテリオン版。昨日撮ったような高画質です。
(1982年/デビッド・クローネンバーグ監督)
スリップケースから出すとジャケットがビデオ(勿論ベータ)になっているのがお洒落(背には手書き文字でVEDEODROME)。
過激な内容で話題の地方ケーブルテレビ局の経営者マックス(ジェームズ・ウッズ)が偶然(?)目にした謎の海賊放送。
筋書き無しでリアルな拷問映像を延々流すその番組の名前は“ビデオドローム”。
ベータのビデオが「ふう!」というセクシーなため息と共に脈打つシーンを初めて観た時はのけぞりましたね。
リック・ベイカーの職人仕事が百花繚乱です。
クライテリオン版はDVDも特典満載でしたが、日本では完全スルー。無視、素通り、知らんぷり。当然このBlu-rayも未発売(出ても特典移植は無いでしょう)。
代表的カルトの1本なんだから邪険にするなよ、ユニバーサル。