デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

何で皆そんなにヒッチコックが好きなんだ? 恐怖の岬

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昨日ご紹介した「ケープ・フィアー」のリメイク元です。

「恐怖の岬」(1962年/J・リー・トンプソン監督)

レイプ事件の目撃者として証言をした弁護士(グレゴリー・ペック)一家にお礼参りを敢行する律儀なレイプ犯(ロバート・ミッチャム)。

爬虫類のようなヌメヌメ感漂うミッチャムが素敵です。

監督はヒッチコックに傾倒していて、美術や編集、音楽などにヒッチコック組を多数投入。アングルとかカット割とか実にヒッチ的。

で、困ったことに私はこの“ソロバン勘定的に”計算しつくされた映画が凄ぉく苦手。

これはもう相性の問題なので、致し方ありません(ヒッチコックの映画には心がないと言い切ったカーペンターこそ心の師匠)。

ペックは善人設定ですが、自分が被害者になった途端、警察署長にミッチャムの排除を頼んだり、荒くれ者を金で雇ってミッチャムを襲わせたりと、家族のためとは言え、実は結構自己中野郎。

当然、私としては復讐者に肩入れしてイケイケミッチャム(え、俺だけ?)。

ところどころ説明不足なシーンがありますが、製作当時、米国でも英国でも相当な検閲が入ったようで、特に英国検閲局は実に161箇所もハサミを入れたんだとか。

やたらと冗長になっているかもしれませんが、ノーカット版が存在するのなら観てみたいものです。