デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

五体分裂&鈎針宙吊り ラスト・キング・オブ・スコットランド

イメージ 1


まったく「自分探し」なんて言葉を口にする奴にロクな奴はおりません。

 

「ラスト・キング・オブ・スコットランド
(2006年/ケヴィン・マクドナルド監督)


タイトルからは想像もつきませんが、お話の舞台はウガンダ、主人公はイディ・アミン・ダダです。

若きスコットランド人医師ニコラス・ギャリガンは、自分探しと冒険心というチャラチャラな動機でウガンダの寒村へ。

時あたかも軍事クーデター勃発、アミン新大統領誕生という歴史のスティグマ

ひょんな事からギャリガンはアミンの専属医師に。しかしこれが不幸の始まり。

ギャリガンくんは医師としての腕はそこそこですが、とにかく思慮が足りません。乗り合いバスで知り合った現地女性とまず一発、着いた先で先輩医師の奥さんにセクシービーム乱射、果てはそこに手出したら駄目だって馬鹿でも分かる相手に吶喊。

結局、こいつの無責任な言動が元で死体の山が築かれ、女はバラバラ。自身も鈎針中吊りという「生ヘルレイザー」な拷問に合う羽目に。

なので、「エンテベ空港事件」というクライマックスで、ギャリガンくん脱出なるか、というサスペンスも「いや、別に君死んでいいし」と思って見てるのでなかなか盛り上がりません。

アミン役のフォレスト・ウィッテカーはこの映画でアカデミー賞はじめ各賞総なめ。個人的には「スモーク」の片手鉤爪オヤジが好きですね。