『神輿が勝手に歩ける言うんなら、歩いてみないや!おう!?』
右も左も不祥事、失態、嘘、言い訳。こんな時、胸のすく啖呵は一服の清涼剤。前出の啖呵は「仁義なき戦い」で坂井哲也(松方弘樹)が山守組長(金子信雄)に放った一言。
その坂井の葬儀会場に普段着で現れ、祭壇の香典や位牌に銃乱射した後の、
『山守さん、弾はまだ残っとるがよぅ』
という広能(菅原文太)の一言も全身さぶいぼの静かなる名啖呵でした。
女の啖呵の有名どころは何といっても「鬼龍院花子の生涯」の夏目雅子の
『うちは土佐の鬼政の・・鬼政の娘じゃき、舐めたらいかんぜよ!』
ですが、OVA版パトレイバー「2課のいちばん長い日」で南雲しのぶ(特車二課第一小隊隊長)が、対峙する自衛隊反乱軍からの撤退命令を拒否するシーンも素敵です。
『国を乗っ取ろうとする者に対し、これを打倒するは我々をおいて他になく、今こそ全国民の期待は我々にかかっています。そのような状況下で確たる証拠もなく、否、確たる証拠があったにせよ、彼らの恫喝の前に一撃の反撃もすることなく膝を屈するなど言語道断!たとえ守備隊全員がこの場で討ち果てようと一歩も引く訳にはいきません!』
この場面、カット割りと音楽が絶妙で何度見てもさぶいぼです。
では、締めは井筒監督「二代目はクリスチャン」の志穂美悦子のこの啖呵で。
『てめえら!今すぐ悔い改めて十字を切りやがれ!でねえと…叩っ斬るぜ』
最後の「叩っ斬るぜ」の部分を切なそうに言う所がまた高ポイントです。