デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

殺伐さ2割増のセルフリブート。 新仁義なき戦い

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『なんぼあんたが太うなった言うて、狙うちょるもんの方が強いんじゃけ』

 

おっと、この台詞は以前にも…と思いましたがそれも当然。

 

役名こそ変わっていますが、元ネタは仁義なき戦いと同じ飯干晃一の原作ルポ。

 

「完結篇」で一巡した物語を巻き戻したセルフリブートです。

 

「新仁義なき戦い1974年/深作欣二監督)

 

菅原文太の役名は、呉・山守組々員・三好万亀夫となっていますが、モデルは美能幸三なので、「仁義なき戦い」の広能昌三と同一人物です。


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若山富三郎の役名は、山守組若頭・青木尚武ですが、こちらもモデルは佐々木哲彦なので、「仁義なき戦い」で松方弘樹が演じた坂井鉄也その人です。


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悪~い顔です富三郎。
 

唯一、山守組長夫婦のみ、オリジナルのまま金子信雄&木村俊恵で変わらず(正にこのシリーズの顔。因みに田中邦衛が演じた山守の腰巾着・坂上元はモデルが樋上実なので、オリジナルの槙原政吉と同一キャラ)。


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手締めをしているのは“本物”安藤昇
 

同じ話を視点替えしてトレスしているわけですが、大きく異なるのは脚本が笠原和男ではなく、神波史男だと言うこと。

 

神波と言えば「実録 私設銀座警察」「0課の女 赤い手錠(ワッパ)」「暴走パニック大激突」。

 

この人の持つ独特の暗さ、閉塞感が本作に実録の誉れを上塗りしています。


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「完結篇」の公開が746月、本作の公開が同年12月。東映『やだやだ、まだこのシリーズで儲けるんだい!』な想いが伝わってくる2順目企画です。


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