『王子様の隣にはお姫様…なんて誰が決めたのかしら?』
『王子様の隣には王子様。それでいいじゃない、それがいいじゃない!』
「私がモテてどうすんだ?」
芹沼さんがいつものようにスマホで実況しながらアニメを観ていたら、お気に入りキャラが突然死亡!
『風呂入って飯喰え! デブ保てなくて死ぬぞデブ!』
ショックのあまり1週間引き篭もり、飲まず食わずで号泣していたら、脂肪が落ちてスレンダーな美少女に!(嘘ぉ!)
『お母さん、鏡が壊れてる!』
で、当然、突然(の変化に)、唖然・呆然(とした男どもが)、俄然(やる気満々マンに)、な展開になるのですが、巧いなぁと思ったのは、この男たち、芹沼さんがデブな頃から結構彼女の事を気に掛けてくれる“いい奴”らなのですよ。
顔(と体)だけで寝返ったわけではないという弁明をさりげなくしておくあたり、さすが横手美智子(シリーズ構成・脚本)です(一部例外もいますが…)。
史学部の先輩(右の長身の人)は本当にいい人だ。
とは言え、イケメンの絡みを見守り妄想することが生きがいの芹沼さんにとって、この乙女ゲー的逆モテ期の到来は困惑の種。
ここでタイトルの意味がわかります。
《たとえイケメンと縁があっても私とじゃ意味がないの! 王子様の隣には王子様! 彼らには関わらずそばでのぞき見するのが私の幸せ、私のポジション!》
一般人のふりもここまで。『ごめんなさい、私、オタクなの!』
にしても小林ゆうさんが乙女とオタクの狭間に揺れるヒロインを演じるとは…。
今期ダークホースかもしれません。