『姿に騙されてはいけない。中身はアラサーのおっさんだ。いつもどおり接すれば大丈夫』
『平常心…平常心だ。身体は女になったかもしれんが、俺は異性愛者!』
N≪この物語は、この二人の反応でなんとなく察しがつくと思いますが、おっさんと元おっさんのラブコメです≫
脳捻転起こしそうな捻り方(笑)。
因みに『俺は異性愛者!』の部分、原作では『俺はノーマルそのもの!』でした。
異性愛者=ノーマルと定義してしまうと、同性愛者=アブノーマルという事になり物議を醸してしまう、という配慮からの変更でしょう。
例え異世界変態アニメであっても、全方位気配りを怠ってはなりません。
「異世界美少女受肉おじさんと/第1話・ファ美肉おじさんとおじさん」(2022年1月11日深夜テレビ東京放送/新田典生演出)
タイトルの読み方は≪ファンタジーびしょうじょじゅにくおじさんと≫。略してファ美肉。
元々「バ美肉」(バーチャル美少女受肉。仮想世界において美少女のアバターを纏う一種のなりすまし⦆という言葉があり、これを異世界に転用したもの。
近しい映画で言うとこれ👇ですね。
とある合コンに参加していた会社員ふたり。
何もかもが平均値でどこを探してもモテる要素が見つからない橘 日向(たちばな ひなた)32歳と、高身長イケメン肉体派でモテる要素以外見つからない神宮寺 司(じんぐうじ つかさ)32歳。
性格真逆の幼馴染。神宮寺がいれば女全部持って行かれるのが分かっていて何故橘は神宮寺を合コンに誘うのか?
理由は、とっとと神宮寺を結婚させて諦めのついた女をモノにしたいから。しかし何より「知り合いのいない合コンは緊張する」
それって、神宮寺といると落ち着くって事か。
片やモテ過ぎたせいで女の醜い部分ばかりを見てしまい女嫌いになってしまった神宮寺。彼が橘の誘いを受ける理由は、橘がつきあう相手は自分が認めた女でなければならないから。しかし本心は「橘を女にとられたくない」。
君らねぇ…。
合コンはいつも通り橘の惨敗。酔いつぶれて五体投地して号泣。
『女子になりたい!こんな惨めな気持ちを味わうのなら女子になってしまいたい!この世のものとは思えぬ美少女になって死ぬほどちやほやされたい!できれば、少し幼く見えて、でもキリっとしててふわふわ金髪低身長の娘がいいな』
あらぬ願望を口にする橘と神宮司の前に現れたのは≪怪奇半裸LED女(女神とも言う)≫。
キューピットの矢のようなもので射抜かれた二人。気がつけば異世界。
そして橘が…「少し幼く見えて、でもキリっとしててふわふわ金髪低身長の娘」に!
怪奇半裸LED女神が言うには『元に戻りたければ魔王を倒せ』。
女神、異世界転生、魔王討伐。何もかもがお約束ですが、何もかもがチガウ。
いや何よりも問題なのは神宮寺は橘に、橘は神宮寺にキュン!ときてしまっている事。
マズイ…このままでは実にマズイ事になる。一刻も早く魔王とやらを撃ち滅ぼさなければ…。
『『俺が、こいつを好きになる前に!』』
N≪この物語は、おっさんと元おっさんのラブコメである≫(大切な事なので2回言いました)
異世界のお約束は他にも。
召喚に伴って特殊能力具備(ウィンドウが開いてスキル確認)。神宮寺のスキルは近接戦闘術。突如現れた野生の何かをヘッポコな正拳一突きで血まみれの屍に。
因みに橘のスキルはトラブルメーカー。トラブルメーカーってスキルだったんだ! 履歴書に欠けるな橘。
もうひとつ、神宮寺のウィンドウに明記された謎スキル「楽園への扉」。
試しに実行してみたら現れたのはそのまんま扉。
表札には「橘」。
いやこれ橘の自宅のドアだろ。橘の家が神宮寺にとっては「楽園」ということか(ここだけ「サイレントヒル4 ザ・ルーム」かよ!)。
1話観終わって気になったのは「これはBLなのか!?」という事。BOYじゃない、おっさんだ、という煽りはさておき、ジャンルとしてBLの範疇に入るのでしょうか。
そこいら辺、腐女子の方に訊いてみたいものです。
★本日1月13日は志賀勝(1942~2020)の誕生日。
志賀ちゃんのアバンギャルドな髪型が拝めるこの作品を。