“決してひとりでは見ないでください”は「サスペリア」の名コピーですが、この警告はこの映画にこそ相応しいです。
「ロボット・モンスター」(1953年/フィル・タッカー監督)
ある日、宇宙人が地球に来襲。ジョニー君一家を残して人類は死滅(え?)。
人類殲滅まであと僅か、という所で宇宙人ローマンがジョニー君のお姉さんアリスに一目惚れ(ええ?!)。
当のアリスは父(科学者)の助手ロイと青姦の挙句「私たち結婚します」と言い垂れて新婚旅行へ(って、君ら以外の人類は死滅してるんだよ!)。
いちいち突っ込むのもアホ臭いですが、宇宙人ローマンはゴリラの着ぐるみに潜水帽被せただけ。
地上破壊のシーンは何故か岩場で恐竜が暴れ回るだけ(しかも他の映画の流用。街も人も映らない。ほとんど前衛)。
舞台は岩場から一歩も動かず。ここで役者とゴリラが延々小芝居。
トドメはラスト。ジョニー君が目覚めて終わり。夢オチかよ!しかも冒頭でネタバレしてるじゃねえか。
少年の持つ理想的家族への憧憬と未知なる物への畏怖を描いたと言えば「ファンタズム」の原典と言えなくもないですが、違うよなあ。
音楽エルマー・バーンステイン。何でだよ!?
ひとりで観ると観終わった時の索漠感がハンパ無いので、大人数で突っ込み入れながら観ることをお薦めします。
ひとりで観る場合は、直ぐに復活できるように「口直し」用のビデオを用意しておくと良いでしょう。人妻の癒し系AVとかが良いと思います。
こんな作品に16頁の解説冊子まで付けたWHDジャパンを心から尊敬します。セット価格980円。高い!(笑)